薬剤部の紹介

薬剤部のご案内

構成メンバーは、薬剤師10名(常勤7名、非常勤3名)、補助者3名です。
令和4年6月から外来患者様の処方を全面的に院外処方に切り替えたことにより、薬剤師業務が病棟中心に切り替わりました。
調剤業務だけでなく、薬剤師による持参薬処方の代行、薬剤管理指導、抗がん剤調製、TDM解析、DI業務、チーム医療への参加、入院センター業務、薬薬連携など多様な業務に携わっています。入院時から患者様に深く関わり、薬の適正使用を常に考えながら、日々業務を行っています。

 

【専門・認定薬剤師】

※認定取得に力を入れており、実習生、新人薬剤師への教育が充実しています。

認定名 取得人数
抗菌化学療法認定薬剤師 1名
NST専門療法士 1名
認定実務実習指導薬剤師 1名
京都府糖尿病療養指導士 1名
スポーツファーマシスト 1名
日病薬認定指導薬剤師 1名
日病薬病院薬学認定薬剤師 1名

 

薬剤部職員2023

薬剤師の主な業務内容

1.持参薬処方の代行

当院薬剤部の最も特徴的な業務であり、最も時間を費やしながら、薬剤部一丸となって取り組んでいる業務です。

本来、持参薬処方は医師業務の範疇ですが、近年の医師の労働時間短縮の取組推進の一つとして、医師から薬剤師へ持参薬処方業務をタスクシフトして薬剤師が持参薬処方を行っています。

入院時に薬剤師が患者様の持参薬を確認することで、入院患者様に深く関わることが可能になりました。例えば、入院時持参薬にTDM薬剤があればTDMオーダの提案、腎機能が低下していれば、腎排泄型薬剤の減量、中止の提案を入院時点で行うことができるようになりました。さらに患者様への聞き取りや持参薬の残数から家での服薬アドヒアランス※をしっかりと評価することもできます。

私たちは、持参薬処方を通じて患者様の安全性や治療成績の向上に貢献しています。この業務に取り組むことで、患者様とのコミュニケーションの機会が増え、患者様にとってもより快適な入院生活を送っていただくことができます。

※服薬アドヒアランス・・・患者自身が自分の病気を受け入れて医師の指示に従って積極的に薬を用いた治療を受けること。

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2.薬剤管理指導

薬剤師は、主治医や看護師と密接に連携し、一人ひとりの患者様に最適な薬物療法を提供しています。当院の入院患者様は、超高齢者や認知症患者が多く、直接的な服薬指導ができない場合もありますが、病棟看護師と連携しながら家族への指導を積極的に行います。また、意思疎通が難しい患者様の場合には、検査値や画像から薬剤の効果や副作用を確認し、最適な薬物治療を実施しています。さらに理学療法士、作業療法士、言語聴覚士からも患者様の情報を収集し、投与中の薬剤の効果や副作用を確認することで、患者様の安全な治療をサポートしています。

私たちは、患者様とそのご家族の方々にとって最善な薬物療法を提供することを目指して、日々努力を重ねています。

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3.抗がん剤調製

当院の薬剤部は、患者様に最高の治療を提供するために様々な取り組みを行っており、その一つが抗がん剤調製の専用部屋と安全キャビネットの設置です。この部屋では、細心の注意を払いながら抗がん剤の調製を行い、患者様の安全を確保しています。

また、抗がん剤投与前には、薬剤師が患者様に直接服薬指導を行い、副作用の対策についても指導させていただきます。患者様には治療のプロセスについても説明し、安心して治療を受けていただけるよう心掛けています。

さらに、薬剤師と主治医が協力して抗がん剤レジメン※を考え、レジメン登録を行うことで患者様に最適な治療を提供しています。このような取り組みは今後ますます重要になってくると考えており、当院ではこの分野の認定薬剤師の育成に力を入れ、患者様に最高の治療を提供するために全力を尽くしています。

※レジメン・・・がん薬物療法における抗がん薬、輸液、支持療法等を組み合わせた時系列的な治療計画

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4.TDM(薬物血中モニタリング)解析

当院の薬物動態解析には、BMs-Podというソフトを活用しています。特にバンコマイシンについては、全例TDMを行い、薬剤師が初期投与計画から関わり、ローディングドーズ※の提案を行っています。さらに数年前から、バンコマイシンのトラフ値とピーク値を必ず測定し、時間濃度曲線下面積(AUC)をガイドとした投与設計を行っています。TDM解析には、医師や看護師だけでなく、臨床検査技師との密接な連携が不可欠であり、日々コミュニケーションを重視しながら業務にあたっています。

当院は、患者様の安全な治療に全力で取り組むことを目指し、薬剤師によるTDM解析を含めた薬物治療に力を入れています。

※ローディングドーズ・・・抗菌薬使用開始時における負荷投与

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5.DI(医薬品情報管理)業務

DI業務は、医薬品情報の収集・管理・提供を通じて、薬剤が安全かつ適正に使用されるように支援する重要な業務です。

薬剤師は、医師や看護師、他の医療スタッフからの薬剤に関する問い合わせに日々対応し、最新の医薬品情報を提供しています。また、PMDAナビやSAFE-DIに登録しており、常に最新の医薬品情報を把握することができます。

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6.チーム医療への参加

当院では、患者様のためにAST、NST、褥瘡チーム、ハートケアチーム、医療安全チームなど、様々なチーム医療に薬剤師が参加しています。特にASTについては、抗菌化学療法認定薬剤師を専従薬剤師とし、ASTの中心的な役割を担っています。若手薬剤師も積極的にチーム医療に参加し、病院薬剤師ならではの経験を積んでいけます。

当院は、薬剤師がチーム医療の中心的な役割を果たし、患者様に最適な医療を提供することを目指しています。

7.入院センター業務

入院センターでの業務は、患者様の薬物治療において非常に重要です。具体的には、予定入院の患者様との面談や薬物鑑別、持参薬処方を行います。これによって、その後の薬剤管理指導が円滑に進み、患者様の安全な治療が実現できます。服薬アドヒランスが悪い場合もあり、多大な労力が必要なケースもありますが、しっかりと患者様から服用中の薬剤の情報を収集することで、薬剤の相互作用や過量投与を防ぐことができます。

この業務に関しては、入院センターの看護師からも非常に感謝されており、やりがいのある業務の一つです。

8.薬薬連携

当院では、薬薬連携にも力を入れています。疑義照会簡素化プロトコル※を策定し、処方医師や保険調剤薬局薬剤師からも高い評価を得ています。また、退院時には担当薬剤師が薬剤管理サマリーを作成し、保険調剤薬局薬剤師に情報提供することで、患者様の薬学的問題点を解決するための連携を行っています。

今後も薬薬連携カンファレンス等を開催し、より良い医療を提供していくために取り組んでまいります。

※プロトコル・・・あらかじめ定められている規程・手順

9.調剤業務

入院患者様などの調剤を行っています。調剤業務には、薬剤師自身の判断や提案が求められる場合があります。例えば、処方箋に誤りがあった場合や薬剤の副作用が懸念される場合には、病棟担当薬剤師と協力し、処方医師に最適な薬剤を提案することが必要となります。

薬剤師自身の知識や経験を活かして患者様の治療に貢献できることも、この業務の魅力の一つです。

この記事に関するお問い合わせ先

京丹後市立弥栄病院 事務部 管理課
〒627-0111
京都府京丹後市弥栄町溝谷3452-1
電話番号:0772-65-2003 ファックス:0772-65-4136
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更新日:2023年04月26日