第六回 どんな模様も自由自在 最新デジタル設備で顧客満足度を追求

梅武織物株式会社

取締役社長 梅田 正彦(うめだ まさひこ)さん(52歳)

 ※年齢及び所属は「広報京丹後」2019年9月号掲載時点

 

峰山町を流れる小西川沿いの道路を進んだ山あいに建つ大きな工場が梅武織物株式会社。

同社では、最新のデジタル織機を導入し、さまざまな模様のネクタイ生地を手掛けている。

取締役社長の梅田正彦さんにお話を伺いました。

 

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22台の織機が並ぶ工場内

峰山高校を卒業後、愛知県一宮市にあるジャガード機械を生産するメーカーに就職した梅田さん。

約3年間、北は山形県米沢市から南は福岡県久留米市まで、全国の織物産地の得意先を回り、ジャガードの設置や修理に奔走する毎日を送ったという。

「この時に身に付けたジャガードに関する知識や修理技術が今も役立っている。全国各地の織物を見ることができたのも貴重な経験でした。あの3年間があったからこそ今の私があるといっても過言ではありません」と話す。

 

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ネクタイを前に仕事へのこだわりを語る梅田さん

その後、織物業を営む実家に戻った梅田さんは、父と二人三脚で事業拡大に取り組んだ。

現在、工場には22台の織機が並ぶ。顧客が満足するものを早く届けたいと、機械のデジタル化を積極的に進める。

デザインはデジタルデータで、発注先から会社のパソコンに届く。

そのデータはパソコンから織機へ送られ、即座に色見本を織ることが可能。

その色見本を見て不具合があれば直ちにデータを修正。時には織り方などの提案なども行い、注文通りの生地が完成する。

また、経(たて)つなぎや織機の修理など、他社では外注することの多い作業を自社で行うことができるのも強みで、作業時間の短縮や経費の削減につながっているという。

 

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前職で培った技術を生かしジャガードを修理する梅田さん

 

「近年、取引先の社員が工場の見学に訪れるようになりました。ネクタイの生地ができるまでの工程や、織り上がった生地を見てとても感動してくれます。こちらも生産者として大きな励みになるし、より良いものを作ろうという気持ちになりますね」と笑顔で話す。

正確な仕事と対応の速さで顧客の信頼を得る同社では、数年前から、大手メーカーのネクタイ生地を手掛けるようになった。

店頭価格で数万円するものもあるというが、絵画のようなデザイン性の高さとそれを実現する細かな織りが評判で、贈り物として女性客に人気だという。

「これからも顧客の要望に応える丁寧な仕事をしていいものを作り続けたい」梅田さんのものづくりの探求心は大きくなるばかりだ。

 

【用語紹介】

【ジャガード】

経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を操作してさまざまな模様を織り上げる機械

【経つなぎ】

織機に掛けた経糸を織り上げた後、新しい経糸をつなぐこと。

 

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更新日:2020年08月18日