わかりやすい財政健全化法

新たな制度ができた背景・経過

平成18年1月から始まった「地方分権21世紀ビジョン懇談会」において再生型破綻法制の議論が行われ、平成18年7月には「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」が閣議決定されました。このなかでも「再建法制等も適切に見直す」とされています。
平成18年8月に「新しい地方財政再生制度研究会」が設置され、12月には研究会から報告書が公表されるなど、新たな再生制度の必要性が言われていたところに、夕張市の財政破綻(一時借入金と貸付金を悪用した巨額の赤字隠し、最終的には地方財政再建準用団体に指定)が重なり、議論が急加速され、法制化の作業が進みました。

「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」の成立へ

「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」、いわゆる財政健全化法案は、新しい地方財政再生制度研究会報告書をもとにしたもので、早期健全化や再生のための指標が具体化しています。
この法案は、平成19年3月に閣議決定を経て国会に提出され、平成19年6月22日に公布されました。

従来の財政再建制度(地方財政再建促進特別措置法)

「地方財政再建促進特別措置法(昭和30年12月29日法律第195号)」は、昭和30年に、昭和29年度末の赤字団体を対象として財政の再建を行わせることを目的に制定されました。(地方公営企業法においても再建法に準じた再建の仕組みがあります。)その後も財政の再建を行おうとする団体があり、この法律を準用して財政の再建を行うことが可能になりました。いわゆる財政再建準用団体と言われ、夕張市もこれになります。ただし、従来の制度では、再建法によって再建するかしないかは、あくまで地方公共団体の自主性に委ねられていました。

従来の制度と新しい制度の違い

従来の制度と新しい制度の違いの一覧表
従来の制度(財政再建法) 新たな制度(財政健全化法)
いきなり財政再建団体(赤信号)となり、早期是正を図る段階がありません。また、国などに対し赤字団体から申し出がないと財政再建に取り組めません。 財政再生団体(赤信号)の前に、財政健全化団体(黄信号)の段階が設けられました。
  • 財政指標が一定程度悪化した場合、自主的な改善努力が義務付けられる財政の早期健全化段階に移行
  • さらに財政状況が悪化した場合には、国などの関与による確実な財政の再生を図る財政再生段階へ移行
早期是正・再生という観点からのわかりやすい財政情報の開示や、財政指標の正確性を担保する手段がありません。 財政情報が健全な段階からのフロー・ストックの財政指標を整備し、監査委員の審査・議会報告・公表を義務化して、情報開示を徹底しています。
地方公共団体の普通会計を中心としているため、公営企業や一部事務組合・第三セクターなどの経営状況は考慮されません。そのため、公営企業などにいくら累積赤字があっても財政再建団体とならず、地方公共団体全体の姿を反映したものではありません。 地方公共団体の普通会計のほか、公営企業・一部事務組合・第三セクターなども加えて判断されます。
フロー指標(単年度の現金収支における赤字比率)のみであり、ストックベースの財政状況に課題がある団体であっても対象となりません。 フロー指標(単年度の現金収支における赤字比率)に加えて、ストック指標(ある時点での資産や累積債務の量を測る将来負担比率)ができました。健全化判断比率という4つの指標を設けました。
公営企業に早期是正の機能がありません。 公営企業についても経営の健全化の仕組みが設けられました。経営状況の判断指標として資金不足比率を用います。

参考

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更新日:2018年03月27日