世界保健機関（WHO）は、”喫煙しないことが一般的な社会習慣になること”を目指して、平成元年から5月31日を「世界禁煙デー」と定めています。

また、世界禁煙デーから始まる1週間は「禁煙週間」です。

市では、5月31日の「世界禁煙デー」および6月6日までの「禁煙週間」にあわせて、たばこの健康被害や禁煙の大切さについて、広く市民の皆さまに呼びかけています。
 

●禁煙週間：令和7年5月31日（土曜日）～6月6日（金曜日）

●禁煙週間テーマ:「受動喫煙のない社会を目指して～私たちができることをみんなで考えよう～」

喫煙が健康に与える影響は大きい上、受動喫煙の危険性やニコチン依存を考えると喫煙習慣は個人の嗜好にとどまらない健康問題です。

受動喫煙については、特に子どもや高齢者、妊産婦の方には深刻な影響を及ぼすため、注意が必要です。
 

「寿命を短くする最大の原因」にあげられているのが喫煙です。日本では、喫煙及び受動喫煙が原因で、年間約19万人が亡くなっています。

主な健康被害

📌 がん（肺・喉・食道・胃・膀胱など）
📌 心臓病・脳卒中（動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞）
📌 呼吸器疾患（COPD、肺気腫、喘息悪化）
📌 妊娠・胎児への影響（早産・低体重児・流産リスク）
📌 その他（免疫力低下、老化促進、歯周病など）

受動喫煙の健康リスクも

非喫煙者でも、たばこの煙を吸わされることで健康被害を受けます。
特に子どもや妊婦、高齢者は深刻な影響を受けることがあります。

▶ 肺がんや心疾患のリスク上昇
▶ 子どもの喘息・中耳炎・発育への悪影響
▶ 乳幼児突然死症候群（SIDS）の原因にも

このように、たばこは私たちの健康に深刻な影響を与えています。

 ★たばこがやめられないのは「ニコチン依存症」という病気の可能性があります！

　禁煙が成功しないことに意志の強さは関係なく、脳がニコチンに依存した状態が続いているからです。

COPD（慢性閉塞性肺疾患）とは、たばこなどに含まれる有害化学物質を長年吸い込むことで気管支に慢性的な炎症が生じたり、肺胞（はいほう）が少しずつ破壊され、肺の機能が気付かないうちにむしばまれて、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下する病気です。以前は「慢性気管支炎」、「肺気腫」と別々に呼ばれていましたが、現在ではこの2つを総称して「COPD（慢性閉塞性肺疾患）」と呼ばれています。

最大の原因は喫煙であり、喫煙者の15～20％がCOPDを発症します。

40歳以上の人口の8.6％、約530万人の患者が存在すると推定されていますが、大多数が未診断、未治療の状態であると考えられます。全体では死亡原因の9割、男性では7位を占めています。たばこの煙を吸入することで肺の中の気管支に炎症が起きてせきや痰がでたり、気管支が細くなることによって空気の流れが低下します。

歩行時や階段昇降など、体を動かしたときに息切れを感じる労作時呼吸困難や慢性のせきや痰が特徴的な症状です。一部の患者では、喘鳴や発作性呼吸困難など喘息のような症状を合併する場合もあります。

たばこの煙は、吸っている本人だけでなく、周囲の人の健康にも深刻な影響を与えます。
このような「受動喫煙」は、自分の意思に関係なく煙を吸わされてしまうため、特に注意が必要です。

主流煙は喫煙者がフィルターを通して吸い込むのに対し、副流煙はフィルターを通らずに空気中に放出されるため毒性が強くなります。周囲の人は、喫煙者より有害な煙を無防備な状態で吸い込むことになります。

●副流煙と主流煙の有害物質の比較（例）

^{_{出典：厚生労働省・日本禁煙学会・たばこ白書等の国内外調査報告より}}

喫煙者は、知らず知らずのうちに自分だけでなく家族や周囲の人の健康をも害している危険性があることを自覚して、受動喫煙にも気を配りたいものです。

参考：京都禁煙推進研究会編京都禁煙推進研究会楽々！卒煙ガイド