絹本著色松井康之像(府指定文化財)
絹本著色松井康之像
けんぽんちゃくしょくまついやすゆきぞう

絹本著色松井康之像 1幅 京都府指定文化財(有形文化財/絵画)
絹本著色掛幅装。縦75.2センチメートル横35.6センチメートル。正装して上畳に坐す武将の肖像画です。慶長17年6月の賛があります。顔、衣服、畳縁などに賦彩の剥落が認められますが、画面の雰囲気を損なうほどではありません。筆線はやや硬質ではあるが勢いがあります。冠や衣文の線、衣服の文様、刀、扇などには金泥が使用されています。
像主松井康之(1550年~1612年)は近世肥後松井氏の初代とされ、母方の叔父に当たり五山詩僧としても名高い南禅寺二二六世玄圃霊三の勧めで細川藤孝に仕えました。細川氏の丹後入国にともない、康之も久美浜に館を置いて熊野郡を領しました。文禄の役にも細川氏とともに出兵し、慶長五年(1600年)には豊後(ぶんご)杵築城(きつきじょう)に入り、同一七年小倉で没しました。康之は茶道の造詣が深く、千利休の高弟の一人でもありました。なお子孫は細川氏の熊本転封にともない、八代に移り代々細川家の家老として幕末に至ります。本像の着賛時期は不明ですが、画像そのものは桃山時代に描かれたと見て差し支えなく、当時の家老クラスの肖像画として重要な作品です。
(宗雲寺所有)
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更新日:2018年05月17日