デジタルミュージアムF25如意寺木造扁額

如意寺木造扁額

にょいじもくぞうへんがく

如意寺木造扁額の写真

如意寺木造扁額 京都府指定文化財

如意寺は丹後国熊野郡に所在し、行基建立の寺伝をもつ真言宗の古寺である。この扁額は、ヒノキ材製、中央で縦二材矧(にざいはぎ)。長方形の一重枠で囲まれた内区中央に「如意寺」の寺号を鋤彫りする。表面及び側面には漆塗りとした痕跡が残る。裏面には「永仁三年乙八月廿二日亥乙「正四位行左馬頭藤原朝臣定成」」(1295年)と墨書する。筆者の藤原定成(1278年~1312年)は世尊寺流第九世経朝の子で行房の叔父にあたる。嫡流ではないが能書として知られ、兄経尹とともに当代きっての名手として重んじられていた。定成の書は後世になっても尊重された。しかし、真跡とされているものは少なく、これまで東京国立博物館蔵の平行成願文と自著を加えた書状一通がしられているにすぎなかった。この扁額の書体は経朝の筆になる建治元年(1275年)銘の東京都・天満宮の木造扁額(重文)と近似しており、これも世尊寺流の扁額の書体として注目される。本扁額は保存状態もよく、鎌倉時代に遡る典型的な世尊寺流の書体の扁額として貴重である。縦65.4センチメートル 横40.0センチメートル

(如意寺所有・丹後郷土資料館寄託)

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更新日:2018年03月27日