デジタルミュージアムK17琴引浜と鳴き砂

琴引浜と鳴き砂

ことひきはまとなきすな

琴引浜と鳴き砂の写真

琴引浜 国指定天然記念物及び名勝

鳴き砂 京丹後市指定文化財

網野町の北東部に位置する琴引浜は、延長1.8キロメートルの文字通り白砂青松の大変美しい海岸であり、この景勝地は古くから人々の目を楽しませてくれたようで、戦国大名の細川幽斎は、

根上りの 松に五色の 糸かけ津 琴引き遊ぶ 三洋の浦々

と歌い、細川忠輿の妻、ガラシャ(明智光秀の娘)は、

名に高き 太鼓の浜に 聞く秋の 遠にも渡る 秋のタさめ

と、琴引浜の一部にある太鼓浜を読み入れている。
また、明治時代の高名な歌人である与謝野鉄幹、晶子夫妻もこの地を訪れ、次の歌を残している。

たのしみを抑へかねたる汝ならん 行けば音を立つ琴引の浜 与謝野寛

松三本この蔭に来る喜びも 共に音となれ琴引の浜 与謝野晶子

この琴引浜の砂は、鳴き砂(地元では鳴り砂ともいい、外国ではミュージカルサンドといいます。)と呼ばれ、脚をするように歩くとキュッ、キュッという妙なる音がして琴引浜の名の由来となっている。また、浜の一部には、太鼓浜と呼ばれる一帯があり、踏めばドンドンと鳴って独特の風情が楽しめる。鳴き砂は、石英の砂の粒同士がこすれ、振動しあって音が出るので砂の表面が少しでも汚れると鳴らない。鳴き砂は浜がきれいであり、自然が保たれているからこそ鳴る。琴引浜には、900種類もの微小貝(大きさが1ミリメートル程)や原始的な生物である有孔虫が生息していることも確認されており、海がきれいであることを証明している。

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更新日:2018年03月27日