デジタルミュージアムC43線刻薬師如来御正体
線刻薬師如来御正体
せんこくやくしにょらいみしょうたい
直径15.6センチメートルの銅製円板に、薬師如来像(やくしにょらい)を線彫りに描いている。鏡の代わりにかけるため、縁(ふち)にひもを通す穴が二つ付けられている。平面的な鏡像から、装飾的・立体的な懸仏(かけぼとけ)に発展する途中にみられる形式で、平安時代末期~鎌倉・室町初期に多い形式である。これが発見された木橋・日吉神社の祭神は、「大山昨神」であり、本地仏(ほんじぶつ)が薬師如来であるので、「仏教の仏さまが、大勢の人を救うために神として出現した」と考える本地垂迹説(ほんちすいじゃくせつ)を確認できる実証的な資料である。本地仏(神のもともとの姿であるとされる仏)を描いたこのような懸仏は、中世の神仏習合を代表するものであり、民衆の信仰資料としても貴重なものである。
(木橋区所有・丹後郷土資料館寄託)
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更新日:2018年03月27日