峰山町新治の気張るファーマー(きょうたんご米気張るファーマー通信 Vol.1)

Vol.1 農事組合法人Gファーム(峰山町新治)

 地域で初となる法人を立ち上げ

 同世代の仲の良い6人が集まり、平成30年12月に峰山町新治(にんばり)地域で新しく設立された農事組合法人Gファーム。現在、水田約13haでコシヒカリ・京の輝き・新羽二重糯(もち)の水稲栽培のほか、小豆やじゃがいも、千両ナスなどの園芸作物を栽培している。

 代表理事の安達操生さん(62)と従兄弟の井上高司さん(65)は、元々機械を共同で利用しながら水稲を栽培していたが、高価な農業機械を各個人で維持管理していくことに限界を感じていた。同じ問題に頭を悩ませていた他の4人(田中稔さん(67)、安達法光さん(65)、北村俊彦さん(62)、藤原誠喜さん(62))と話す中で、「一緒に農業を経営してみようか」という案が浮上。さらに、6人のうち3人が保有している作業場の集約を考えたときに、既存の作業場の増築が難しいことや、米の乾燥調整に伴う近隣への騒音などの理由から、新しく作業場を建設しようということになった。そして定年後の第2の人生として農業を経営していく覚悟を決め、法人化の検討を始めた。

 そう思い立ってからの行動は早い。4月に市役所など関係機関へ相談に通い始め、その年の12月には法人を立ち上げた。

 

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前列左から田中稔さん、安達操生さん、藤原誠喜さん、後列左から安達法光さん、井上高司さん、メンバーのご家族

 

 何より一生懸命な米作り

 安達操生さんは「元々みんな『助け合い』や『お互い様』の精神で農業をしていたが、法人設立によってメンバーが構成員の関係になりこれまで以上に結びつきが強くなった」という。そんなGファームの信念は「何より一生懸命に米作りをする」こと。

 法人立ち上げ後、令和元年産の米作りは初めて特別栽培に挑戦した。実需者(※1)からのニーズに応え販売を拡大していくためだ。米は、鎌倉時代に峰山町新治地域を治めていた郷主「新治蔵人(あらはるくらんど)」から名付け、ご当地米「蔵人(くらんど)」として販売する。「特別こだわった栽培方法はしていない」と謙遜するが、播種作業をするメンバーの眼差しは真剣そのもの。土入れした苗箱に種籾(※2)が播かれ覆土(※3)されていく。「きちんと播けているか?」確認の大声が飛び交う。かん水装置でズボンが濡れようが構わない。まさに一生懸命の米作りだ。

 

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繁忙期はお互い様。メンバーの家族総出で作業を行う

 

 10年先を見据えて

 法人化を目指したもう一つの目的として、次世代への営農継承がある。「自分たちがこの先ずっと農業をできるわけではない。次の世代へ引き継いでいかなければいけない」と安達操生さんの思いは強い。地域の中核的な担い手としての自覚の下、就農を希望する若者の受け皿とするためにも法人化を行った。

 安達操生さんの息子さんは現在、京都市内で料理人をしている。数年後には地元に帰ってくる予定だ。農業に従事するかは分からないとのことだが、「息子の技術を生かして食と農で繋がりを持てれば。農家レストランも出来ればいい」と夢を膨らませながら、良食味の米作りに邁進する。

 

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「将来に向けてまずは法人経営を安定化させることが最優先」と安達操生さん

 

 

【用語解説】

※1 米の販売先、消費者

※2 種子として播くための稲の籾

※3 種を播いた後に土をかぶせること 

 

 

(気張るファーマー通信編集部 田崎)

取材日:令和2年4月12日

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更新日:2020年06月22日