大宮町五十河の気張るファーマー(きょうたんご米気張るファーマー通信 Vol.2)

Vol.2 五十河小町ファーム(大宮町五十河)

 協力し合って五十河(いかが)の農地を守る

 京丹後市大宮町の山間部、府内最大級のブナ林を擁する内山山系のふもとに位置する小野小町ゆかりの地、五十河地区。京丹後市最長の河川である竹野川の源流のすぐそばを流れる水は、混じり気のない美しい水だ。

 そんな美しい水と緑に囲まれた地で農業を営んでいるのが、「五十河小町ファーム」。今から約17年前の平成15年、五十河地区の農地を協力して守っていくために立ち上げられた。

 「機械や人が限られた中だからこそ、いつもこうしてみんな集まって協力し合って米作りをしているんだ」と話すのは、代表の江波博志さん(65)。この日は田植えを進めており、それぞれの方がその時々で役割を持ち、何も言わずとも次々に作業が進んでいく。

 

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田植機にマット苗をセットし、肥料を補充するメンバーの息はぴったり

 

 市内屈指の良食味産地、五十河

 内山山麓に位置する五十河地区は「良食味産地」としても名高い。その理由は、きれいな水があるからだけではない。五十河地区は昼夜の温度差が大きく、日当たりがいいということも米のおいしさに関係している。特に、昼夜の温度差が大きいと甘い米ができるそうだ。

 「冷めてもおいしいごはんだ、と聞いた」「五十河の古米は一般的な新米にも引けを取らない味だと言われた」とメンバーは口々に言いつつも、「……わしら自分のところで作った米を毎日食べとるで、分からん。でも、初めて食べた人は明らかな違いが分かるみたいだ」と話す。

 五十河地区は自然環境も味方につけ、おいしいお米でお腹も満たせる、米づくりに適した地域ということが分かる。

 

taue050302内山を背に、今年もおいしい米づくりを行う

 

 守り続けていくために

 現在、五十河地区は地区全体が高齢化しており、なかでも農業に携わる方は最も若い方でも50代後半という状況である。次世代に託したい思いもあったが、子どもたちは一度故郷を出ると帰ってこないことがほとんどで、自分たちでできるところまでするしかないという思いに至った。

 「あと10年経つと、五十河小町ファームも存続しているかはわからない。五十河地区だけでなく近隣地区とも協力しながら、施設などを整えて、若い移住者なども呼び込んで農業に携わってもらえれば、五十河地域の農地は守られ、持続していくと思う」と近い将来を案じて考える姿もうかがえた。

 しかし、五十河地区には高齢になっても元気に農業をしている方が多くいる。80代後半で農作業をしている方や、90代で鍬を担いで田や畑に出ていく方の姿など、農業を頑張る方の名前が続々とメンバーから挙がり、「わしらも、まだまだ頑張れるかもしれんなぁ」と未来を見つめていた。

 産地を守ってくださる「気張るファーマー」の姿があるからこそ、わたしたちの食卓にはおいしいごはんが並ぶ。

 

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左から江波博志さん、井上秀雄さん、上田賢さん、田崎亨さん、上田永子さん

 

(気張るファーマー通信編集部 松本)

取材日:令和2年5月3日

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更新日:2020年06月22日