丹後町大山の気張るファーマー(きょうたんご米気張るファーマー通信 Vol.3)

Vol.3 株式会社野木源(丹後町大山)

 地域最大の担い手として

 平成26年4月に丹後町大山で設立された株式会社野木源。代表取締役の野木武さん(59)は実家が農家だったことから、農業大学校に行き、農業の経営を始めた。農業を始めたばかりのころは約4.7haだった経営規模が、今は約20haの水稲に加えてメロンや堀川ごぼう等を栽培しており、大山地区最大の担い手として地域の農業を守っている。

 「京丹後市は海があり山があり川もある。市内だけで水系が完結していて、とてもいい環境でお米作りができる」と野木さんは京丹後市の環境に太鼓判を押す。一方で、素晴らしい環境下でも、農家が減少し個人でたくさん作る必要が出てきたため農業経営の負担が増加している。

 そういった中で、「スマート農業」といわれる、最先端技術を備えた機械を導入し作業の効率化を図る農業に取り組んでいる。今までは、農家の勘で行われていた作業をデータ化し、栽培技術の安定にもつながっている。また、「規模を拡大し、今までと違う場所でお米を作ることで新しいお米作りができる」と負担の増加をチャンスに転換している。

 

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いい環境で田植えの準備を行う

 

 毎日食べるお米だからこそ

 昨今、「安心・安全」という言葉が意識されつつある中で、野木さんは 「食べることは体の形成にもつながる。毎日当たり前に食べるお米だからこそ当たり前の安心・安全を届けたい」と語った。そのため農薬を限りなく減らし、地域にも消費者のニーズにも合わせたお米作りを心掛けている。様々な需要に応えるため、京丹後市の中で最も代表的な品種のコシヒカリだけではなく、合鴨農法などを使用した「てんてこ米」、コシヒカリにも負けず劣らずおいしい「夢ごこち」、関東で多く食べられている「ミルキークイーン」など7種類のお米を栽培しており、消費者のニーズに合わせたお米を紹介できる。

 規模を拡大し大量に生産するだけでなく、お客さんに喜んでもらえるような「安心・安全」なお米を作り、市内や国内にとどまらず、世界中にお米を届けることを目標に、日々お米作りにまい進している。毎日「安心・安全」でおいしいお米が食べられるのは、こうした米農家の思いと日々の努力があってこそだろう。

 

栽培品種

株式会社野木源が栽培しているお米。品種名だけでなく、栽培の方法や味、お米ごとに合う調理の仕方などが記載されており、ニーズに合わせて選ぶことができる

 

 お米作りを通じて

 野木さんは、京都府事業「きょうと食いく先生」の認定を受けており、毎年、市内の小学校でお米作りの体験を行っている。お米作りの大変さや食の大切さ、京丹後市のお米のおいしさを、体験を通じて伝えている。

 「普段食べているお米や野菜がどこで作られているのかを知ってもらいたい」と野木さんは毎回子どもたちに話す。食、地元、そして農業に興味を持ってもらうことで、次世代に思いが繋がっていく。

 

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「できるだけ地元の食材を食べてもらいたい」と話す野木武さん

 

 

(気張るファーマー通信編集部 山崎)

取材日:令和2年5月25日

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更新日:2020年06月22日