大宮町奥大野の気張るファーマー(きょうたんご米気張るファーマー通信 Vol.7)

Vol.7 農事組合法人楽農くらがき(大宮町奥大野)

 奥大野地区を守り、発展させるために 

 農事組合法人楽農くらがき(以下、「楽農くらがき」)は、平成14年7月に設立。男性19名、女性3名の計22名で構成されており、米、もち米、黒豆、コンニャクなどを栽培している。

 「楽農くらがき」という名前は、「みんなで楽しく農業をしよう!」という思いと、現在の奥大野地区が明治時代まで倉垣という地名であったことからつけられた。実際、田植え作業の際もメンバーは終始笑顔で雰囲気が良く、楽しみながら作業しているのがよく分かった。

 法人化し、複数人で作業をすることで、1人ではできなかったことも、しんどいことも楽しくでき、困ったときも助け合いができるのが強みとなった。今まで米づくりで辛いと感じたこともないそうだ。

 楽農くらがきでは奥大野地区の農業を守り、次世代へつなげるために、耕作放棄地をなくす取り組みを進めている。今回取材した田んぼも、元々は雑草が生い茂る耕作放棄地をメンバーで整備し、3年ほどかけて復活させた田んぼであった。

 

作業の様子

休憩中は和気あいあいと談笑し楽しい雰囲気。一方で、作業は真剣。テキパキと準備が進む

 

 人と人のつながりを大切に~移住受け入れの取組~

 楽農くらがきでは移住者を受け入れる取組を進めており、なかでも新規就農者の受け入れに力を入れている。奥大野地区では、毎年地区外の人を招き、地域のみんなでおもてなしをするイベントを数回行っている。

 イベントの甲斐があって地区外のファンやリピーターを確保できており、なかには海外のファンもいるという。今回の田植え作業にも、地区内在住のアイルランド出身の方とその友人が、作業の手伝いに来ていた。

 奥大野地区では、「人と人のつながりを大切に」をモットーに掲げている。歴史的にも、奥大野地区には様々な地域を結ぶ道があり人の往来が多かったことから、人の流入に対しても寛大であった。現在もその地域性は残っており、「田舎への移住を検討している方はぜひ奥大野へ!」と代表の川口勝彦さん(68)は話す。

 また、奥大野地区では「あ・ら・た・ま・る」(※1)という言葉を掲げ、多くの人に来ていただき満足してもらえるような地域づくりを目指している。地域の人はみな優しく、移住後も安心して生活できる環境を提供してくれるだろう。

 

田植え機に乗る様子

人生初の田植え機に乗るアイルランド人のダンカン・ハミルトンさん。みんなで教えながら見守る。「失敗しても大丈夫だで、がんばれ!」 メンバーの優しさが溢れていた。

 

 多くの人にしあわせを届けたい~思いが詰まった米づくり~

 楽農くらがきでは、環境保護や、より安心安全なお米を届けるために減農薬で栽培したお米を「倉垣しあわせ米」として販売している。今年からさらに多くの人にお米を届けるべく、ネット販売も開始した。

 「地域のしあわせを多くの人に届けたい」、「多くの人と地域をつなげたい」そんな想いを胸に、今年もみんなで楽しく、倉垣しあわせ米づくりがスタートした。

 

楽農くらがきの皆さん

左から、小牧康男さん(78)、川口勝則さん(63)、アラン・ケランさん(41)、川口勝彦さん(68)、松崎幸生さん(73)、ダンカン・ハミルトンさん(58)、小牧敦彦さん(63)、尾崎正昭さん(58)

 

【脚注】

※1「あ・ら・た・ま・る」は、 以下の頭文字をとっている。

 「あたたかく、誇りを持って受け入れましょう」

 「らくな気持ちで接しましょう」

 「たのしい時間をご一緒に」

 「まるでふるさとにかえったように」

 「るいえん(類縁)を結んでまいります」

 

(気張るファーマー通信編集部 斉藤(京都府丹後農業改良普及センター))

取材日:令和2年5月22日

 

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更新日:2020年07月17日