久美浜町海士の気張るファーマー(きょうたんご米気張るファーマー通信 Vol.6)

Vol.6 長屋 千代子・慶太(久美浜町海士)

 移住、そして新規就農への道のり

 久美浜町の川上谷川水系のすそ野に位置する海士(あま)地区は、豊かな自然に恵まれた営農のしやすい地域である。

 そんな美しい環境で農業を営むのが、長屋 千代子さん、慶太さんご夫妻である。

 同夫妻は平成29年に岐阜県から京丹後市へ移住し、現在は水稲と多品目の野菜を栽培する新規就農者である。

 以前から、「50歳をめどに田舎で農業をしながら暮らしたい」という思いがあり、近畿・北陸地域の空き家バンクを通じて移住先を探していたところ、海士地区の豊かな自然、田舎だけれども生活に必要なスーパーマーケット、学校や病院といった施設は近くにある環境が農業をしながら暮らすには最適と感じ、移住を決意した。

 

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久美浜町海士地区の田んぼにて(左から、長屋千代子さん、慶太さん)

 

 農業への思い

 現在は、約1.2haの水田でコシヒカリともち米の栽培のほか、黒豆と枝豆の栽培を行い、「京のブランド産品」であるえびいもの栽培にも取り組んでいる。

 また、現在は京都府の慣行レベルに準拠した米づくりであるが、将来的には化学肥料・農薬の使用量を5割以上低減し栽培する「特別栽培米」の米づくりを目指しており、その根底には、「おいしくて安全に食べられるお米を提供したい」、「自分たちの手で作ったお米や野菜が商品となり、多くの方に食べていただけることが嬉しい」という思いがある。

 一方で、「自分たちはまだまだ修行の身である」と謙虚な姿勢であり、農業機械の利用をはじめ、田植え、稲刈り、草刈作業や田んぼの水管理など、日々の様々な場面において知識や経験豊富な地域の先輩農家から学ぶことが多いと語る。

 

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農作業は夫婦で協力して行う

 

 将来に向けて

 収穫したお米は地元のJAへ出荷する一方で、オリジナル商品の開発にも取り組んでいる。 この取り組みは、本格的に米づくりを始めた昨年から進めており、オリジナル商品には「久美浜sun's son(くみはま さんず さん)」というブランド名を付け、主にインターネットで販売し、昨年は用意した約50袋の商品が完売した。「将来は、育てたお米と豆などのセット商品を開発し、魅力ある商品にしたい」と語る。

 海士地区においても少子高齢化が大きな問題となっているが、長屋さんたちは「今後、地域の農業者で高齢化により農業をリタイアされる人があれば、自分たちが受け皿となり地域を支えていきたい」という考えを持っており、地域の担い手として期待されている。

 移住から3年、地元から厚い信頼をおかれる存在になった背景には、まじめに農業に取り組む姿勢、地元住民との交流を大切にし、楽しいと思える人柄があってこそだろう。

 地域に新しい風を吹かせる、今後の活躍が期待される二人だ。

 

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オリジナル商品は、自然豊かな地元でのびのびと育った小学生が描いたイラストのステッカーを貼って出荷する

 

(気張るファーマー通信編集部 古橋)

取材日:令和2年6月9日

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更新日:2020年07月01日