大宮町三重・森本の気張るファーマー(きょうたんご米気張るファーマー通信Vol.10)

Vol.10 小町の里生産組合(大宮町三重・森本)

環境にやさしい農業

 手塩にかけて育てた新米が出回る季節。豊かな自然に囲まれた大宮町三重・森本地域で環境にやさしい農業に取り組んでいるのは小町の里生産組合。そこで代表を務める芦田完二さんにお話を伺った。

 小町の里生産組合は芦田さんを代表として平成26年に設立した。お米は毎日食べるものなので、安心・安全であることを求め、人にも環境にもやさしい農業を始めた。

 

小町の里生産組合写真

大宮町森本で米作りを行っている小町の里生産組合

 

生物多様性保全と土づくり

 現在、小町の里生産組合では生物の多様性を守るために様々な取り組みを行っている。

 冬季に田んぼに水を張る冬季湛水を行うことにより、水田の生き物が生息できる環境を維持している。また、刈った稲をすき込んで藁を腐らせバクテリアを増やすことで良い土づくりができ、おいしいお米が栽培できるという。

 さらに、「生き物にも地球にもやさしい農業」を心掛け、きれいな水が流れ込む田んぼで、中干し時にはほ場の生物が生息できる水路を作っている。有機質肥料を使用し、減農薬栽培を行っている小町の里生産組合の田んぼには、農薬や水質汚染の影響で絶滅危惧種に指定されているゲンゴロウが生息している。

 土づくりにおいては、地元資源であるカニ殻を活用し、土壌に有機物を供給することで、化学合成肥料の削減を行っている。

 このような取り組みの積み重ねにより、小町の里生産組合は、平成30年度 京都府農地・水・環境保全向上対策協議会優良組織表彰(環境保全型農業部門)において「京都府知事賞」を受賞。さらに翌年には、令和元年度近畿地域未来につながる持続可能な農業推進コンクール(有機農業・環境保全型農業部門)において「近畿地域環境保全型農業推進連絡会議会長賞」を受賞した。

 お米の美味しさだけでなく、環境や生物のことも考えてこだわって米づくりをしていると感じた。

 

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小町の里生産組合が栽培しているゲンゴロウ米

環境にやさしい農業を広めていく

 小町の里生産組合では、京都府南部の大学生と連携し、ほ場の生物調査等も実施している。さらに、大学生と田植えや稲刈りなどの体験を行い、環境にやさしい農業に理解のある次世代の若者の育成に協力している。

 また、地域住民と一緒に農作業に取り組む中で、環境にやさしい農業に関心を持つ人が増え、小町の里生産組合設立当初は4人だった組合員が9人に増えた。

 環境にやさしく、安心・安全を求めたお米は、今の時代とても必要なことであると取材を通して強く感じた。

 

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コンバインで稲刈りをする芦田完二さん

 

(気張るファーマー通信編集部 矢野)

取材日:令和2年10月5日

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更新日:2020年10月14日