網野町島津の気張るファーマー(きょうたんご米気張るファーマー通信 Vol.22)

Vol.22 城下 和彦(網野町島津)

 「自然と一緒に育てるお米 米農家城下」

 見出しのキャッチフレーズとともに、網野町島津地区を中心に水稲一筋、こだわりの米づくりを続けている城下和彦(しろしたかずひこ)さん(43)に話を伺った。

 城下さんがお米づくりを始めたのは今から21年前、大学を卒業後、実家の米づくりからだった。当時は祖父、父、和彦さんの親子3代で始めた。

 城下さんは早くから機械化を進め、地域の受け皿として規模拡大を行ってきた。城下さんの就農時には16haだった経営が、20年経った現在では43haまで拡大した。個人経営では京都府内最大級の経営規模だ。

 「無理に拡大しようとしなくても、おのずと毎年1ha程度拡大をしている」と城下さん。現在は父の佳郎さん、弟の佳彦さんとともに、3人で作業の全てを行っている。

 農業を始めたきっかけは、家が米農家だったことと、地域の農地を守るため。作業は家で学べるからと、進学して経営を学んだ後の就農だった。

 

乾燥したもみ殻の山

乾燥したもみ殻の山。最盛期は天井まで積み上がる

 自然の中で、家族とともに行う米づくり

 作業は、佳郎さんが苗づくり、水管理、乾燥調製を担い、城下さんと佳彦さんで粗起こし、田植、収穫を行うなど、リレー方式となっている。

 さすがに43ha規模の面積になると、他の米農家より早く作業を始め、シーズンの最後まで作業を行っている。

 目標とする経営面積を聞くと、「地域の農地を守るためにも可能な限り引き受けたい。ただ、1人あたり12~13haを受け持つ計画で進めているため、もう少し面積が増えると常時雇用が必要だ」と話す。

 大きな規模になると、息つく暇もないくらいに作業が続くと思われるが、元来から自然が大好きな和彦さん。城下さん個人のSNSを覗けば、何気ない空、昆虫、風景、機械のトラブルなど、多忙な中でも自然の中で気づいたことが次々と報告されている。

 機械や施設も壮大で、作業場やコンクリート土間の育苗専用ハウス、トラクター、田植機、コンバインなどあわせて10台以上の機械と充実した設備が整っている。

 水田作業のみならず、狩猟免許を活かして有害獣の駆除を行ったり、稲作シーズンが終わった冬場にも得意な機械メンテナンスをコツコツ丁寧に行い機械が壊れないように努めたりしているとともに、バックホウによる水路や農道の清掃・修繕や、来春用に大量の苗床土の準備など、年間を通じて大忙しだ。

 

クローラ―トラクターとディスクロータリー

クローラートラクターとディスクロータリーはお気に入りのセットアップ

 未来に向かって

 米の販売について伺うと、個人直売と米販売店出荷、JA出荷の三本柱で構成されている。

 個人直売では低温熟成させたこだわりの特別栽培米をお得意先へ販売し、さらに販路を広げるためにパッケージにこだわり、商談会に積極的に参加しPRしている。

 また、近くの保育所周辺では、色んな品種のカラフルな古代米を使った田んぼアートや、環境にやさしい農業に関心のある消費者とともに田植えイベントを行うなど、米づくりを中心に地域と環境と未来を考えている。

 城下さんの未来は米づくり以上に広がっていく。

 

お米を持って笑顔の城下さん

トレードマークのオレンジのつなぎの城下さん

 

(気張るファーマー通信編集部 松尾)

取材日:令和2年11月20日

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更新日:2021年03月30日