京丹後市生物多様性を育む有機農業推進計画
京丹後市生物多様性を育む有機農業推進計画(4期)を策定しました
計画の趣旨
京丹後市 生物多様性を育む有機農業推進計画
農業は、人の生命の源である食料を生産する最も基本的な営みです。その営みは、自然界の仕組を利用・工夫しながら発展し、長い年月をかけて、豊かな農村文化や田畑・里山環境を育んできました。20世紀以降、化学肥料・農薬の普及は、農作物の大量生産を可能にした反面、土が持つ自然循環機能を低下させ、過剰施肥による水質汚染問題など、農業を取り巻く自然環境や生態系に大きな影響を及ぼしてきました。しかし、近年では、地球規模で取り組みを進めるSDGs(注釈1)の動きをはじめとし、自然環境の保護や生物多様性(注釈2)の重要性、一方では、安全・安心な食を求める消費者の動向から、できるだけ化学肥料・農薬の使用を低減することが求められてきています。
国においては、農業の持続的な発展には、環境と調和のとれた農業生産の確保の重要性に鑑み、平成18年度の「有機農業の推進に関する法律」制定以降、有機農業の基本理念を定めるとともに、環境負荷を低減する先進的な営農活動への支援が実施されております。令和3年度には、大規模自然災害・地球温暖化、生産者の減少等の生産基盤の脆弱化・地域コミュニティの衰退、新型コロナを契機とした生産・消費の変化などの政策課題に直面したことから、将来にわたって食料の安定供給を図るため、災害や温暖化に強く、生産者の減少やポストコロナも見据えた農林水産行政を推進していく必要があり、持続可能な食料システムを構築することが急務となっていることから、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」が策定されました。また、それに基づき「みどり認定」が策定され、環境負荷を低減する農業を推進することで、持続可能な食料システムの構築を目指しています。また、環境保全型農業直接支払交付金事業(注釈3)においては、令和7年度からの第3期対策の開始に伴い、一部取組が多面的機能支払交付金(みどり加算)に移行され、非農家も含めた地域ぐるみで取り組む仕組となることで、効果的に推進することができるよう国の姿勢が強化されています。
京都府では、平成22年3月に「京都府人と環境にやさしい農業推進プラン」を策定し、有機農業を含めた環境への負荷を低減する「人と環境にやさしい農業」の推進を図っています。
このような背景を踏まえ、京丹後市では平成22年度に「京丹後市生物多様性を育む農業推進計画」を策定し、平成28年度、令和2年度に同計画の見直しを実施しています。
京丹後市では、隣接する兵庫県豊岡市と様々な交流を図る中、「コウノトリもすめるさとづくり共同宣言」により両市の連携強化を図ってきました。連なる里山や水田地帯・湿地など、両市とも互いに豊かな自然環境を有しており、これらは農業生産と密接に関わりながら、多様な生物を育む基盤となっています。
本市では、こうした地域特性を踏まえ、「京丹後市生物多様性を育む農業推進計画」に基づき、化学肥料・農薬の低減、有機農業や特別栽培の推進、冬期湛水(注釈4)をはじめとする生物多様性に配慮した農業の取組を継続的に進めてきました。これらの取組の積み重ねを背景として、本市は、日本海に面し、豊かな自然と多彩な食材に恵まれた地域特性や、「食」が健康長寿と笑顔あふれる幸福長寿を支えてきた食文化を次世代へ継承していくため、令和7年5月23日にオーガニックビレッジ宣言を行いました。この宣言では、SDGsの理念に沿い、真に豊かな「食」と「食文化」を将来へ継承していくため、有機農業をはじめとする環境に配慮した農業を、地域資源を活用しながら地域一丸となって推進していくことを掲げています。
また、本市は、日本で初めて「美食都市」に認定された地域として、農業を基盤とした食の価値の向上を図るとともに、飲食事業者や観光分野等との連携を進めています。さらに、市が進めるみどりの農産物をはじめ、生物多様性を育む農業によって生産される農産物を、地域の魅力や強みとして発信する取組を進めます。
こうしたオーガニックビレッジ宣言及び美食都市の取組との整合を図り、生物多様性を育む有機農業を先導的な取組として明確に位置付けるため、計画の名称を「京丹後市生物多様性を育む有機農業推進計画」に改め、特別栽培を含めた段階的な取組の広がりを通じて、持続可能な農業と地域づくりを一体的に進めます。
今回、これまでの取り組みを検証した上で、「京丹後市生物多様性を育む有機農業推進計画(4期)」を策定し、引き続き、豊かな自然・農村環境を後世にわたり維持・継続できるよう、「生物多様性を育む有機農業」を推進し、広く生産者及び消費者に周知を図り、持続可能な農業の発展を目指します。
注釈1 「SDGs(エスディージーズ)」
持続可能な開発目標( Sustainable Development Goals )は、2015年9月の国連サミットで採択された国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。
複数側面から統合された17 の目標 と169のターゲットが設けられており、 未来の豊かな地域社会や市民生活をいかに追求するかの考 えに立ち、これからの地域政策に求められる重要な観点を示しています。
注釈2 「生物多様性」
生き物の「個性」と「つながり」。地球上の生きものは、様々な環境に適応して進化し、3000万種ともいわれる多様な生きものが生まれました。多様性は、 生態系の多様性(森林、里地里山、河川、湿原、干潟、サンゴ礁など)、種の多様性(動植物から細菌などの微生物まで)、遺伝子の多様性(同じ種でも異なる遺伝子を持つことで、形や模様、生態などに多様な個性があります)の3つのレベルでとらえられ、生物多様性のたくさんの恵みによって、私たち人間を含む生きものの「いのち」と「暮らし」が支えられています。現在、 地球上の種の絶滅のスピードは加速化し 、たくさんの生きものたちが危機に瀕しています。特に、地球温暖化は、多くの種の絶滅や生態系の崩壊を助長する世界的な問題です。(※環境省ホームページ参考)
注釈3 「環境保全型農業直接支払交付金事業」
化学肥料・化学合成農薬を原則5 割以上低減する取組と合わせて行う地球温暖化防止や生物多様性保全に効果の高い営農活動を支援 する農林水産省の事業です。
平成23年度に「農地・水・環境保全向上対策」から「環境保全型農業直接支払支援対策」が独立。
その後、平成26年度に日本型直接支払制度の創設、平成27年度からは「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」に基づき、「日本型直接支払制度」の一つとして環境保全型農業に対する支援を実施されています。
注釈4 「冬期湛水(とうきたんすい)」
稲刈り後の田んぼに水を張ること。化学合成肥料・農薬を低減することで、多様な生物が生息し、豊かな水辺の生態系が育まれる他、適正管理により一定の抑草効果が期待できます。漏水対策等、周辺の一般田への配慮が大切です。
計画の期間
本計画は、令和8年度から令和12年度までの5年間とし、社会情勢等の変化により見直しの必要が生じた場合には、この計画期間にとらわれず、必要に応じて見直しを行います。
- この記事に関するお問い合わせ先
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農林水産部 農業振興課
〒629-2501
京丹後市大宮町口大野226番地(大宮庁舎)
電話番号:0772-69-0410 ファックス:0772-64-5660
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更新日:2026年03月30日








