人権啓発講演会「インターネットと人権~未来のために学ぶデジタル時代のリテラシー~」
- 開催場所・会場
- アグリセンター大宮 多目的ホール
- 開催日・期間
- 令和7年2月21日(金曜日) 受付:午後6時30分~ 講演:午後7時00分~
- エリア
- 全域
- イベントの種類分野
- イベント / くらし , まちづくり , 子ども・子育て
人権啓発講演会を開催しました!
当日は、お足元の悪いなか、多くのかたのご来場をいただき、誠にありがとうございました。
アンケートにご記入をいただいた質問事項に対して、講師の浅田先生よりご回答をいただきました。

質問事項および回答
質問1
インターネットに限らず、うちの近所では、自分の正当性を主張するために自分が言 ったことであるにもかかわらず、「人もそう言っている」というのが存在した。「人って誰なんだ」と問い詰めると言葉に詰まり、近所の連れに、攻撃された人の悪口を触 れ回り、人権を破壊するという田舎のオバハンは平気でやる。こういうのネットではありませんか?
回答1
インターネット上でのやりとりでも、曖昧な情報を根拠に他者を攻撃するケースは 確かに見られます。特に 「みんなが言っている」 や 「〇〇という噂がある」という言い回しは、インターネットではしばしば"実態のない評判形成"として使われがちです。
例えば、SNS や掲示板では、一部の個人が主張したことが "世間の声"のように扱われることがあります。これにより、特定の人物や団体に対する 不当なバッシングや誹謗中傷 につながることがあります。このような問題の背景には、
・認知バイアス:自分の見たい情報だけを信じる傾向
・エコーチェンバー現象:同じ意見ばかりが可視化され、自分の意見が強化される
などが影響していると考えられます。現実世界でも、「人もそう言っている」といった 根拠のない話が広まりやすいですが、インターネットでは情報の拡散速度が非常に速 く、影響力も大きくなるため、より慎重な対応が求められます。
こうしたリスクを防ぐためには、
・情報の出典を確認する
・感情的に反応せず、事実を冷静に見極める
といったことを心がけてください。
質問2
特定の SNS ではネットリテラシーが低い人が多いように思う。他国のように日本でも法律が改正されることはあると思いますか?
回答2
「ネットリテラシーが低い利用者が多い」と感じる背景には、今回の講演でも取り 上げました「匿名性」の影響が大きいと考えられます。匿名性が高いプラットフォー ムでは、過激な発言や誹謗中傷が起こりやすい傾向があります。
おっしゃる通り他国ではすでに、ネット上の誹謗中傷やデマ拡散を防ぐための法律 が整備されている例も見られます。例えば、EU では「デジタルサービス法(DSA)」 により、プラットフォームに対して違法コンテンツの削除義務が課せられています。 また、韓国では「情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律」第 70 条 に基づき、インターネット上の名誉毀損に対する厳格な罰則が定められております。
日本でも 2022 年に侮辱罪の厳罰化が行われ、誹謗中傷に対する罰則が強化されました。今後、SNS の影響力がさらに強まるにつれて、さらなる法改正が行われる可能性は十分にあります。
ただし、日本では 「表現の自由」とのバランスが重視されるため、規制強化には慎重な議論が求められると考えられます。現状でも、プラットフォーム側が「誹謗中傷対策」や「コンテンツモデレーション(投稿の監視・管理)」を強化しており、法律だけでなく、民間の自主規制の重要性も高まっていくでしょう。
内容 |
すべての人の人権が真に尊重される社会の実現に向けて考えていただく機会とするため、人権啓発講演会を開催します。 インターネットやスマートフォンなど通信機器の普及により、私たちの生活が便利になった一方で、SNS等における誹謗中傷やネットいじめなどのさまざまな問題が発生しています。 浅田 太郎さん(京都府立大学生命理工情報学部 教授) 1978年大阪府生まれ。2010年京都府立大学大学院人間環境科学研究科環境情報学専攻博士後期課程修了。京都府立大学生命環境学部特任准教授を経て、2022年より現職。2023年より京都府立大学副学長を兼務。 |
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対象 |
どなたでもご参加いただけます。 |
定員 |
なし
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関連画像 |
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費用 |
無料 |
問い合わせ先 |
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- この記事に関するお問い合わせ先
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市民環境部 市民課
〒627-8567
京都府京丹後市峰山町杉谷889番地(峰山庁舎)
電話番号:0772-69-0210 ファックス:0772-62-6716
更新日:2025年03月03日