第一回 消費者の心をつかむものづくりで、産地の未来を切り開く

篠春織物株式会社 

代表取締役 篠村雅弘(しのむら まさひろ)さん (47 歳)

従業員 中村真也(なかむら しんや)さん (29歳)

  ※年齢は「広報京丹後」2019年4月号掲載時点

 

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織機の調整をする中村さん(右)と篠村さん(左)

 「ほぼ毎日、色や柄を変えながら新しい生地の試験織りをしています。

 

大切なのは技術とセンスのバランス。

高い技術があっても、お客様が求めるものを作ることができなければ意味がないですから」。

 

そう言いながら篠村さんが広げたのは、細かな柄が織で表現された質感豊かな生地の数々。

 

これらは篠村さんが開発したオリジナル商品だという。色・柄の異なる数え切れないほどの生

地から、ものづくりに対する熱い思いが伝わってくる。

 

 

篠春織物株式会社は明治中頃に丹後ちりめんの製造元として創業。


現在は、いわゆる「丹後ちりめん」と呼ばれる和装用白生地のほか、和装用の先染め生地も手掛ける。

 

そして同社が現在、力を入れているのが、この先染め生地を中心としたオリジナル商品の開発だ。

 

商品開発は技術力を要し、時間や労力もかかるが、

 

デザイン性と表現力を兼ね備えた生地は消費者の心をつかみ、取引先の高評価を得て、販路の拡大につながっているという。

 

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商品について語る篠村さん

 

「今は商品開発をできる人間が限られていて手一杯の状況ですが、

若い従業員がどんどん成長しているので、先は明るいと思っています」と篠村さんは笑顔で話す。

 

織物業界=高齢化、というイメージが強いが、同社の従業員は平均年齢43歳、従業員の約3割が20~30代だという。


入社4年目の中村さんは「学ぶべきことは山ほどあり、まだまだ勉強の日々です」と充実した表情で話す。


現場で経験豊富な先輩社員から教えてもらうだけでなく、外部研修や動画等も活用しながら技能の習得に努めていると言い、「もっと技術を磨き知識を深めて、いずれは営業や商品開発の業務にも携わりたいです」と語る。


若き期待の星は、意欲に満ちていた。

 

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さまざまな色の糸を使い試験織りした生地とファイリングした生地見本

【用語紹介】

白生地…染めていない白糸で織った生地

先染め生地…糸の状態で染めてから織った生地

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更新日:2020年08月18日