京丹後市の保幼小中一貫教育

 京丹後市教育委員会では、平成24年11月に「京丹後市の学校教育改革構想」を策定し、就学前からの10年間にわたる「一貫教育」を平成28年度には市広域で実施することを明記し、進めてきました。

 その構想の末、現在、中学校区の総称を「学園」とし、全市6学園による施設分離型の保幼小中一貫教育を実施しています。

中学校区の学校が一体となって取り組む保幼小中一貫教育

 本市の保幼小中一貫教育は、中学校区を単位として、校区内のこども園・保育所・小学校と中学校がこれまで以上に緊密に連携、交流して行う教育の方法です。

 中学校区の「目指す子ども像」を踏まえ各校園所の「目指す子ども像」を策定し、カリキュラムや指導方法を統一するなどして、中学校区の校園所が一体となった教育活動を系統的に行います。

中学校区の学校が一体となって取り組む保幼小中一貫教育

将来に夢と希望をもって生き生きと学ぶことのできる子ども

 中学校区を単位として、子どもの教育に携わる全ての学校・園等が目標を共有し、就学前から中学校卒業まで、子どもの発達に応じ系統的で一貫した指導を進めます。

 また、これまでの、各校園所それぞれの特色を生かしながら、目標の共有、目標実現のための各校園所における取組み、目標実現状況の評価による結びつきによって、着実に「目指す子ども像」を実現していく施設分離のよさを追究します。

京丹後市教育委員会の基本的な方針

 「目指す子ども像」や、それに基づく各学校園の教育目標の設定にあたっては、京丹後市教育委員会が提示する方針や子ども像、「学校教育指導の重点」などを踏まえます。

 特に、ICTを積極的に活用し、子どもたち一人ひとりを大切に、誰一人取り残すことなく個性を伸ばす教育を推進します。

 また、重点的な取組課題としている「学力の充実向上」や「不登校の未然防止」「いじめを起こさない指導の充実」などに対して、保幼小中一貫教育を活用してどのように迫っていくのかを検討することが重要です。

 京丹後市教育委員会の基本的な方針と子ども像は、次のとおりです。

京丹後市教育委員会の基本的な方針

保幼小中一貫教育の具体的な実践

1・4・3・2 のステップで10 年間の新しい学びをつくります。

 現行の教育制度(6・3制)と国の学習指導要領等を基本にしながら、子どもの発達や学習の特性等に応じた教育課程(カリキュラム)を導入します。就学前から中学校卒業までの10年間を、図のような0期から3期の4つの指導区分に編成し、それぞれの時期に効果的な指導方法を取り入れたり、異年齢活動を工夫して取り入れたりしていきます。

 これにより、保育所・こども園から小学校へ、小学校から中学校へのスムーズな接続を実現し、これまで以上に子ども一人ひとりへのきめ細かで継続的な指導を実施します。

保幼小中一貫教育の具体的な実践

学習内容を一層充実

郷土への誇りと愛情を育て、自己の生き方・あり方を考える「丹後学」

 本市についての理解を深め、郷土への愛着と誇り、地域での生活への意欲を系統的に育むため、「丹後学」を開発し、各学校等で創意工夫して実施します。

言語力とコミュニケーション力を育成

 子どもたちの言語力やコミュニケーション力を育むための教育を、保幼小中の10年間を通して系統的に進めます。

 小学校低学年から英語に親しむ活動も行い、グローバルリーダー育成を目指した「外国語教育」に力を入れていきます。

京丹後市の保幼小中一貫教育 目標及び取組(概要)

京丹後市の保幼小中一貫教育 目標及び取組み(概要)

小中一貫教育の導入は平成26年度から

 平成24年度からまず2中学校区を導入研究校(モデル学園)としたことを皮切りに、6学園すべてを導入研究校、導入準備校、小中一貫校として順次指定し、小中一貫教育について研究を進めてきました

 どの学園においても汽水域(小5~中1)の取組みを中心に研究が進み、小学校から中学校への円滑な接続によって、市内中学生が落ち着いて学校生活を送れるようになり、生徒指導面での成果が見られるようになっています。

 また、保幼小連携による「アプローチ・プログラム」と「スタート・カリキュラム」に取り組み、学園ごとの自校化を進めてきました。こうしたこども園・保育所・小中学校の10年間を通した取組みを進めることで、本市の子どもたちに質の高い確かな学力を身に付けさせていくことを目指しています。

 本市は全学園に「幼保連携型認定こども園」を設置し、保育所と合わせて教育委員会子ども未来課の管轄としています。その結果、園所小中一貫して教育委員会が管轄したうえで中学校卒業までの10年間を見通した保育・教育活動を進めているところに特徴があります。令和2年度には、就学前から中学校卒業までの一貫した教育を「保幼小中一貫教育」と名称を変更し、より学校園所が一貫して取り組むことを内外に示しながら進めてきています。

研究試行、小中一貫教育を導入し実施校を順次拡大、実施体制を整える年度図

 さて、GIGAスクール構想も含め教育改革が進み、高等学校も含む全ての校種で全面実施となった学習指導要領を踏まえ、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、幼児児童生徒に3つの資質・能力等を柱とする「生きる力」を育むことを目指しているところです。

 本市では令和3年度から「一貫教育を活用した授業改善による学力充実」にその研究をシフトしました。学びの本質、指導の系統性に焦点をあて、学園ごとに保幼小中合同の授業研究会をより積極的に、質を高めながら実施してきています。 

 また、「保幼小中一貫教育推進基本計画〈令和3年度版〉」の中で「各期の指導目標」を示し、系統的で一貫性のある指導を行うため、4つの指導区分を設定して保育課程・教育課程を編成しています。

 さらに、本市の「目指す子ども像」の育成に向け、学力を支える力として重点的な視点を8項目に整理し、「各期の指導目標」として示し、「主体的・対話的で深い学び」の実現による授業の工夫・改善と併せて、指導の充実をさらに図っていくこととしています。

 今後は、市独自の「保幼小中一貫教育」を基盤に教育施策の充実を図り、特に、郷土愛を育む「丹後学」やグローバルリーダー育成を目指した「外国語教育」に力を入れていきます。

 さらに、令和2年度からスタートした学園単位の学校運営協議会(コミュニティ・スクール)を契機に、学園単位として学校、家庭、地域が目標や課題を共有し、連携・協働して地域の教育環境づくりを一層進めることができるようにしていきます。

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更新日:2022年06月23日