令和3年度新たな地域コミュニティ推進大会

新たな地域コミュニティ推進大会

開催概要

趣旨

持続的な地域づくりの推進にあたり、「新たな地域コミュニティ」に取り組む市内モデル地域の活動状況の共有、地域が自ら財源を生み出し持続的に課題解決に取り組む可能性について知見を深めることを目的に、新たな地域コミュニティ推進大会を開催しました。

発表者と聴講者という序列が生じないような場づくりに努め、同じ目線で地域の将来を共に考え、それぞれが新たな一歩を踏み出すきっかけになるような場づくりに努めるとともに、ZOOMによるオンライン配信も合わせて実施しました。

日時

令和3年12月20日(月曜日)19時00分から21時20分まで

会場

京丹後市役所弥栄庁舎3階 大会議室(京丹後市弥栄町溝谷3464)

参加人数

82人(うち、オンライン参加20人)

主催

京丹後市、京丹後市区長連絡協議会

内容

※以下、各リンクより、当日ZOOMで配信した動画(共有画面)をご覧いただけます。集音機材の都合上、聞き取りずらい箇所もございますが、ご了承ください。

京丹後市「新たな地域コミュニティ推進事業」概要説明

「新たな地域コミュニティの推進~持続的な地域づくりに向けて~」

人口減少や少子高齢化の影響でこれまで地域活動を担ってきた行政区の機能低下が危惧される中、京丹後市では、広域で連携して若者や女性も活躍できる「新たな地域コミュニティ」を立上げ、地域課題の解決に取り組みながら元気で楽しく住みやすい地域づくりを目指す取り組みとして「新たな地域コミュニティ推進事業」をスタートしました。

令和3年度は7つのモデル地域で取り組みがスタートしていること、また地域課題をビジネスの手法で収益化し持続的に活動するための仕組みとして令和4年10月に「労働者協同組合制度」が施行され地域づくりの選択肢が1つ増えることを紹介しました。

地域コミュニティ推進課

地域コミュニティ推進課

【第1部】 新たな地域コミュニティ ~モデル地域の取組~

1. 久美浜一区自治会 (STEP2)

 「自治組織の見直し~ICTを活用した若者による事務局体制~」

久美浜一区では、平成28年度から自治組織のあり方について検討をスタートされ、令和2年度に久美浜一区自治会を発足されました。発表の中では、立ち上げまでの検討体制や苦労した点、発足後の成果や課題について説明されました。

取組の主な特徴としては、クラウドサービスなとICTを活用して事務局が効率的に運営できる体制を整備した結果、30代でフルタイムの仕事を持つ若者が事務局長に就任され活躍されていること、防災や自然環境保全、移住や空き家対策など課題解決に取り組めていることが挙げられます。

また、現在地域プランの見直しにあたりアンケート調査を行ったところ、「子ども」に関する項目が一番に挙がっていると報告されていました。

久美浜一区自治会

久美浜一区自治会

2.佐濃自治会  (STEP2)

「U・Iターンで元気な家庭・地域を!」

佐濃地域では、地域課題の解決に向けて1年交代の区長会では継続した取り組みができないことに問題意識を持たれ、平成27年度から組織の見直しに着手、平成28年度に区長会、活性化協議会、地区公民館を1本化し「佐濃自治会」を発足されました。組織立ち上げの意思決定の際にはアンケート調査をおこない、「このまままではだめだ」という若手の声をうまく拾い上げられたようです。

新体制では事務局体制を強化し、農業振興、UIターンの促進など地域課題の解決に向けた取り組みに尽力されています。今後は、地域おこし協力隊を導入し特にUIターンの促進に力を入れていくほか、次年度からは事業推進部を立上げ、地域内の農業法人と連携するなどし「地域で稼ぐ」取り組みを本格的に進めていくとのことです。

ふるさとレスキューの立ち上げも予定されています。

佐濃自治会

佐濃自治会

3.いやさか吉野地域づくり準備会 (STEP1)

弥栄町の吉野校区では、平成30年度末から3地区の区長を中心に地域づくりの検討をスタートされ、令和元年9月にいやさか吉野地域づくり準備会を設立されました。中学生以上全員アンケート調査やその分析を通して地域の資源や課題をまとめ、地域ビジョンの策定に取り掛かられています。

エンジンメンバーと称する主要メンバーや里の公共員や地域マネージャ-など運営に多様な方が関わっていることが特徴で、アンケート調査の際に協力者を募ったり、茶話会を企画するなど地域マネージャ-を中心に女性の意見も上手く取り入れながら進められています。

次年度、協議会(STEP2)への発展を視野に体制づくりにも取り組まれています。

いやさか吉野地域づくり準備会

いやさか吉野地域づくり準備会

【第2部】 協同労働による地域づくり ~広島市の事例~

びしゃもん台絆くらぶ、広島市「協同労働プラットフォーム」

びしゃもん台絆くらぶの活動~成果と今後の取り組みについて~

広島市では60歳以上の方が持つ知識や技能を活用し地域貢献や社会貢献を促進するため、1人1票制のもと出資・経営・労働に参画する「協同労働」という働き方に着目し、平成26年度からモデル事業に取り組まれています。この事業は市から委託を受け組織の立上げや運営支援を行っている「協同労働プラットフォーム」の存在と、立上げ時に出資金の同額を補助する市の財政支援が特徴で、現在25の団体が地域課題の解決に向けそれぞれのテーマで取り組みを実践されています。

 「びしゃもん台絆くらぶ」は地域住民の困りごとを協同労働の仕組みで解決する団体です。ボランティアではする側・される側双方が気を使い助け合いが進まないことに問題意識を持ち、事業化に向けて様々な組織体制を検討する中で、任意団体による協同労働の実践に有益性を感じられ取り組みをスタートされました。

「有料化(収益化)することで依頼者は気持ちよく困りごとを相談することができている」とのことです。また、コミュニケーションの中で依頼者の生活状況が把握でき見守りの機能を果たせているほか、依頼事項を通した交流が新しい依頼へとつながることもあるとのことです。暮らしの困りごと解決の受け皿として特に高齢者の福祉に大きく貢献されています。

しゃもん台絆くらぶ

しゃもん台絆くらぶ

広島市「協同労働プラットフォーム」

広島市「協同労働プラットフォーム」

コーディネート:日本労働者協同組合連合会 古村理事長

~全体を通しての講評~

なぜ人間に共同体(コミュニティ)が必要かというと、人間は弱い生き物だからです。本日の共通していたのは子どもや防災の話。困ったときにどう助け合えるかがコミュニティの本質にあります。

第2部で紹介のあった協同労働は、単なる無償のボランティアではなくて、(支え合いや助け合いを)経済化しようという取り組みです。お互い様の関係の中にお金を介在させることの意味を考えることが大事です。地域で生み出されたお金を地域内でいかに循環させていくか、回れば回るほど働く場が生まれたりや地域課題の解決につながっていく、お金は思いやりの気持ちや行動を価値づける手段であるといえます。

いやさか吉野地域づくり準備会の話にもありましたが、これからの地域コミュニティを考えるときに、全国的に子ども、女性、若者の声を拾い上げることが大事だといわれています。これまで地域では世帯一票の考え方で地域活動が行われていましたが、新たな地域コミュニティは1人1票を持とうという考え方です。女性や子供は全体の中では小さな声で抱える課題は小さなものかもしれないが、小さな声や課題をどう拾っていくかが共生社会をつくるポイントになるといえます。

その点、モデル地域はアンケートなどで声を拾い上げることで地域づくりの入口に立ったのだと思います。次のステップは住民の声をつなぎ、解決する仕組みをどうつくるか、住民同士の関係やつながりの作り方が大事になると思います。

最後に、課題をどう解決するかも大事ですが、人口減少という問題に対しては地域の魅力を発見したり発信することが大切だと思います。いきなり定住にはつながらないかもしれないが、地域に関わる人の裾野を広げていくことが大事だと思います。

課題解決と魅力発見の両輪で進めていく、そこにみんなが参加し、意見し、主体性を持って生み出していく、それこが新たな地域コミュニティの「新たな」にあたる部分だと思います。

日本労働者協同組合連合会 古村理事長

日本労働者協同組合連合会 古村理事長

参考資料

参考資料

開催チラシ

この記事に関するお問い合わせ先

市長公室 地域コミュニティ推進課
〒627-8567
京都府京丹後市峰山町杉谷889番地(峰山庁舎)
電話番号:0772-69-1050 ファックス:0772-62-6716
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更新日:2022年01月07日