新コミュのすすめWEB版(ver.1)~久美浜一区自治会~

久美浜一区自治会

※人口及び高齢化率は令和3年3月末現在(出典:京丹後市住民基本台帳)

秋祭り

秋祭り

このままではいけない

「日々の区長業務が大変で、地域の問題解決ができない。少子高齢化が進む中、このままではいけない」久美浜一区自治会会長の谷口さんは、新たな地域コミュニティの取り組みに着手した当時の心境をこう話してくれました。

地域活動を行う団体の間で危機感や地域の将来に対する想いが共有された結果、平成29年度、本格的に持続可能な地域運営についての検討がスタートしました。

オープンに議論を

平成30年度、具体的に検討を進めるにあたって「自治組織検討委員会」を設立。「区の費用負担と人的負担を増やさない」という前提のもと、スケジュールを立てながら一つ一つ課題を整理され、組織の見直しについてかくくの同意を得られたそうです。

令和元年度、自治組織検討委員会の答申を受けた区長会が、区長会の中に「新自治組織推進委員会」を設置。新しい体制の立ち上げに向け次世代を担う30代から50代にも参画していただくなど、多様な観点から議論を深められました。

意見の取りまとめは大変だったようですが、「オープンに議論すること、幅広く意見を聞くことが大切」と谷口さん。検討委員会で議論を重ね、住民便りで進捗状況を常に発信するとともに、各地区で説明を行いながら、合意形成を進められたようです。

※「自治組織検討員会」とは

  • メンバー:区長及び経験者、公民館長及び経験者、自治振興会長及び経験者、事務局
  • 検討内容:目指す姿、組織概要、スケジュール、区長会への答申
地域プランの改定に向けたワークショップの様子

地域プランの改定に向けたワークショップの様子

3つの組織を一体化「久美浜一区自治会」の誕生

スローガンは「まちづくり、ひとづくり、つながりづくり」

令和2年度、区長会、自治振興会、地区公民館の3つの組織を一本化し、久美浜一区自治会を設立。各団体の予算を一本化して専任の会長(3年任期)、事務局(事務局長、事務員)を設置されました。

  • 久美浜一区全体や各区共通の取り組み
  • 区では解決できない課題の支援
  • 区の自治を尊重

地区との役割分担を明確にした上で、地域防災計画の新規策定、公共施設の管理業務の受託など、優先度が高い地域課題の解決と自主財源の確保から取り組みを進められています。

身の丈に合った取り組みを確実にこつこつと、そして、安心安全、地産地消地買、子育て支援を各事業実施の際のチェックポイントとして大事にされているようです。

※久美浜一区自治会では自治会のホームページで、規約、役員名簿、事業計画、自治会だよりWEB版を公開されています。https://www.kumihamaikku.com/jichikai

久美浜一区自治会の構成図(久美浜一区自治会WEBサイトより)

久美浜一区自治会の構成図(久美浜一区自治会WEBサイトより)

区と一区自治会の役割(久美浜一区自治会WEBサイトより)

区と一区自治会の役割(久美浜一区自治会WEBサイトより)

効果が出てきている

「効果を実感し始めている」と谷口さん。

新たに役員や事務局長の報酬など事務局運営経費が必要になったものの、事務局を設けることで地区要望の集約など地区の運営支援につながり各区長の負担軽減に繋がっており、区長業務や役員数の削減(3割程度の削減)、会議数の削減など効果が表れ出しているようです。

また、これまで各団体で定期的に発行していた区民向けの便りをまとめ、「久美浜一区自治会だより」として事務局で作成されているようです。これにより、担当していた役員の負担が大きく減るだけでなく、情報が一元化され、発信する情報量の増加や取り扱う内容の拡がりにつながっているようです。

一区プラン(まちづくりの計画)の編集風景

一区プラン(まちづくりの計画)の編集風景

これまで着手できなかった地域課題に着手

防災面では、地域防災計画に加え、水災害避難行動タイムラインを策定されたほか、災害における要支援者の避難方法について検討を進められています。ほかにも、久美浜湾の水質や漂流物問題、区長会所有財産の有効活用、移住や空き家対応の一元化など、これまでなかなか着手できなかった地域課題の解決にも着手され取り組まれています。

また、次世代の育成を視野に教育機関との連携を強化。自治会の活動へ参加を促したり、出前授業を行うなど、久美浜学園と連携した取り組みを進められています。

谷口さんは、「公共事業の受託など稼ぐことにも力を入れたい。事務局を強化し、持続可能な地域づくりを推進したい」と意気込まれています。

地域課題や観光施策を考えるフィールドワーク(京都外国語大学との連携事業)

地域課題や観光施策を考えるフィールドワーク(京都外国語大学との連携事業)

大雨洪水に備えるための防災ワークショップ

大雨洪水に備えるための防災ワークショップ

社協と連携した福祉のまちづくり懇談会(地域福祉に関わる方が集まり意見交換)

社協と連携した福祉のまちづくり懇談会(地域福祉に関わる方が集まり意見交換)

公民館活動も活性化

また、組織の一本化により意思決定が早くなり、公民館活動がより機動的になったといいます。

地域の方の「やりたい」という声を大事に拾い上げることで、コロナ禍にも関わらずヨガやジャズなど地域の団体と連携した新しい取り組みが生まれだし、女性や若年層など多様な方が地域に関わるきっかけに繋がっているということです。

JAZZコンサート

JAZZコンサート

ハーブ講座

ハーブ講座

ラジオ体操会

ラジオ体操会

「どこでも仕事ができる仕組み」を整えた

~ICTを活用し若年層が事務局に参画~

久美浜一区自治会では、事務局の運営に民間のクラウドサービスを利用することで、通信環境があれば事務所の外でも仕事ができる=テレワークができる仕組みを構築されています。

この仕組みによって、本業を持つ若い世代でも事務局の一翼を担うことが可能になり、事務局長にフルタイムの本業をもつ島貫さんが着任されました。

テレワークを行う島貫さん

テレワークを行う島貫さん

若い世代の方が事務局に関わることで、これまで書面で行っていた会議案内をSNSで行ったり(ペーパーレス)、広報面では便りの回覧に加え、WEBを活用し「久美浜一区自治会だより(WEB版)」で情報を発信したりと、業務の効率化や若年層へのアプローチに拍車がかかっています。

事務局長の島貫さんは「クラウドを使えば集まらなくても業務の進捗を共有したり意見しあうことができます。仕事終わりにスマホで進捗状況を確認したり、行き詰ったときは気分転換に事務所の外で仕事をすることもあります」と話してくれました。

久美浜一区自治会だよりのイメージ(画像をクリックするとページへリンクします)

久美浜一区自治会だよりのイメージ(画像をクリックするとページへリンクします)

この記事に関するお問い合わせ先

市長公室 地域コミュニティ推進課
〒627-8567
京都府京丹後市峰山町杉谷889番地(峰山庁舎)
電話番号:0772-69-1050 ファックス:0772-62-6716
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更新日:2022年02月04日