新コミュのすすめWEB版(ver.2)~佐濃自治会~

佐濃自治会

  • 範囲:尉ケ畑、奥山、二俣、小桑、佐野甲、佐野乙、佐野丙、安養寺、野中、郷、円頓寺、坂谷、長野、竹藤、女布、丸山、永留(計17区)
  • 人口:1558人
  • 高齢化率:40.95%
  • ホームページ:https://sanojiti.kumihamakasseika.com/

※人口及び高齢化率は令和3年3月末現在(出典:京丹後市住民基本台帳)

高龍寺ヶ岳

構造的な課題~地域の将来を考えることができない~

「区長はいわば区民の御用聞き。行政等からの調査や依頼事項の処理に追われるのが現状だ。これでは地区や地域の将来を考えることはできない」佐濃自治会会長の森本さんは当時の想いをこう話してくれました。

当時、17地区で構成される佐濃地区区長会のメンバーは役員を含めて1年交代。佐濃地域の課題解決を担うはずの区長会だが、このままの体制では、組織の体制上、継続した取り組みができない。

こうした課題意識を胸に、佐濃地区区長会は、当時会長だった森本さんを筆頭に、時代の変化に機敏に対応しながら佐濃地域全体の課題に継続して取り組める新しい体制づくりについて検討を始めました。

若手の声を重要視

平成27年度、佐濃地域では、区長会組織の見直しを軸に、新しい地域運営組織の立ち上げを目指して検討をスタート。

検討を進めるにあたっては、区長会が旗振り役となってアンケート調査を行い、地域課題を整理しながら取り組みを進めたそうです。

「アンケートを取ると、区長会の見直しに賛成すると回答した方が約70%、中でも30代、40代の方の賛成が高い傾向にありました。このままでは地域がだめになってしまうという若手の想いだと考え、彼らの声を重要視しました」と森本さん。

当時、佐濃地区区長会が行ったアンケート調査の抜粋(佐濃自治会が作成された資料を参照)

区長会組織の見直しに関するQ&A(佐濃自治会が作成された資料を参照)

区長会組織の見直しに着手するにあたっては、Q&Aを全戸配布したほか、平成27年12月から平成28年1月にかけては区長会の役員で各地区に入り、説明会を行いながら、区民の理解を促されました。

森本さんは、「区民の想いを知りながら、同時に理解を得ることが大切だ」と言います。

最終的には、平成28年2月の区長会で採決を採り、17地区のうち14地区の賛成を得て自治会の立ち上げが決定したそうです。

佐濃自治会の誕生

平成28年4月、佐濃自治会は区長会、活性化協議会、地区公民館を一体化する形で誕生しました。「時代の変化に対応し、地域課題に機敏に対応していける組織が必要」という考えのもと、以前の区長会で1年だった会長の任期を自治会では3年に設定。さらに、同じく3年任期の副会長、1日勤務の事務員を設置し、体制を整えられました。

また会長については、「佐濃地域全体の課題に継続して取り組めるよう、地区の区長を兼務しない専任の会長」とされました。

「(代表者が複数年に亘り自治会に携わることで)取り組みの継続性が高まった」と森本さん。また、以前に増して地区を超えた情報共有が進み、地域全体の資源や課題が見えるようになったとのことです。

議決機関として17集落区長会議を置き、スポーツや子育て事業を中心に生涯学習活動を担う「佐濃地区公民館」、また旧活性化協議会の専門部を移行する形で「専門部」を設置し、取り組みをスタートされました。

平成28年度佐濃自治会誕生時の組織図(佐濃自治会が作成された資料を参照)

地域を盛り上げる鍵は「女性」

佐濃自治会では、子育て世代の交流を目的とした「おしゃべりサロンカンガルー」、福祉施設と連携した朝市「かがやきの杜商店街」、生涯の学びの場を目的とした「おとなの笑学校」、婚活事業など、様々な活性化事業に取り組んでこられました。都市部の民間企業と連携し、田んぼのオーナー制にもチャレンジされたこともあります。

これら自治会の取り組みを活性化させる鍵の一つは、「女性」だといいます。

女性の雑談から新しいアイディアが生まれ、事業化した事例が多く、森本さんは「女性が地域を動かす印象がある。女性の動きに男性が乗っかれば地域が動く」と話されていました。

おしゃべりサロンカンガルー

朝市「かがやきの杜商店街」

おとなの笑学校

若者の交流を目的としたイベント「ラフコン」 

20年間、人口が変わらない集落

「Uターンがなければ高齢者世帯だけになり、元気がなくなる、農地の維持管理もできなくなる。人口が減っても一定の人数を維持できればコミュニティを守れるのではないか」と森本さん。

佐濃自治会を構成する17の地区のうち、ここ20年で人口がほとんど変わらない地区があり、詳しく調べてみると、その鍵はUターン(スムーズな世代交代)にあるようです。

佐濃地域の風景(写真:佐濃自治会のHPより)

地域おこし協力隊と連携してUターンを促進

佐濃自治会では、これまで行ってきた交流事業のノウハウを生かして、Uターンの促進に力を入れた取り組みを計画されています。

「コロナ禍で第二のふるさとの重要性が高まっている。空き家を活用した起業やリモートワークの推進にも取り組みたい。地域内の企業や団体と連携して関係人口の創出に取り組んでいきたい」と森本さん。

羽尻隊員(地域おこし協力隊)

令和4年1月からは、新たなに地域おこし協力隊として羽尻隊員が着任。地域の外の視点を持つ隊員と連携しながら、移住定住の促進に向けた地域を巡るツアーの企画やSNSを活用した情報発信に力を入れていきたいとのことです。

SNSで情報発信

目指すは「稼ぐ」自治会

今後、新たに事業推進部を立上げ、地域内の農業法人と連携しながら自治会で「稼ぐ」取り組みを本格的にスタートされる予定です。他にも、防災の関係では、ふるさとレスキューの立ち上げも検討されています。

森本さんは「補助金や交付金頼りではじり貧になる。自治会で稼ぎ自主財源を確保することが大事。女性や若い世代の方に関わっていただきながら、持続可能な住みよい地域づくりを進めたい」と話してくれました。

※ふるさとレスキュー:災害時の傷病者等の救護に備える消防団員を中心とした組織。集落の救助救急力を高め、安心安全な地域づくりを担う

この記事に関するお問い合わせ先

市長公室 地域コミュニティ推進課
〒627-8567
京都府京丹後市峰山町杉谷889番地(峰山庁舎)
電話番号:0772-69-1050 ファックス:0772-62-6716
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更新日:2022年03月28日