6月25日 田んぼは稲作のためだけにあらず

 

ようやく全国的に梅雨入りしたかと思えば、梅雨前線が活発化し、九州南部では災害級の大雨が続いています。

更にはエルニーニョ現象が続いていることもあり、気象庁によれば今年の夏は冷夏になりやすい傾向にあるそうで、稲にとっても不安な状況となっています。

 

 

さて、田んぼについて考えたとき、「多面的機能」という言葉をよく耳にします。

田んぼは稲の生育の場だけではなく、こうした大雨の時に一時的に水を湛え洪水や土砂災害を防止する堤防的機能や、河川の流量を安定させる調整機能、そして私たちのふるさと京丹後の美しい景観を形づくるなど、多面的な機能を持っているということです。

そしてその機能の一つには、様々な生物の生息場所としての面もあります。

 

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カエル、アメンボ、ゲンゴロウ、タニシ、メダカ、ホタル、蜘蛛、蝶々、トンボ。

これらはごく普通に京丹後の田んぼで見られる生き物で、更には水中・土中の微生物や菌など、水田の周りでは非常に多種多様な生物が相互に関係し合いながら生態系を作りあげています。

この生態系にはもちろん稲も含まれます。

米づくりの観点から見ると、これら生き物の中には、当然、有益な生き物も有害な生き物もいますが、こうした生き物と上手に付き合っていく作業自体が稲作ではないかと思います。

ひょっとすると、毎日水田と関わっている農家さん自体もこの生態系ネットワークの一員かもしれませんね。

 

 

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延利は蛍のメッカです。内山(うちやま)水系から注ぐ山水は、京丹後を縦断し日本海に流れ込む竹野川の源流にあたります。

 

 

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7月1日(月曜日)。中干しから約10日で地面にはかなり強いひびが入ってきました。酸素供給が進んだためか、草丈は60cmを超え、すくすく生育しています。

 

 

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6月13日(木曜日)、落水前です。上の写真と見比べると茎数・草丈ともに18日間で一気に生育していることが分かります。

 

 

(田崎 農業振興課2年目)

更新日:2019年07月02日