7月6日 書を捨てよ、田んぼへ出よう
梅雨らしい曇天の下、「水稲青空教室」と題したほ場の生育調査を行いました。
農産グループの皆さんと米の出荷業者の方、さらにブログ出前講座の記事を書いていただいている丹後農業改良普及センターの斉藤さんも交え、文字どおり田んぼに入って稲の草丈や枝分かれ(分げつ)度合、葉色などを調査しました。
この調査の目的ですが、主に稲の生育状態から「出穂期(しゅっすいき)」=株のおおむね半分の穂が出る時期を調べるために行います。
そして出穂期は穂肥(穂の生育のための肥料)を与える時期の目安になります。
肥料は与える時期を誤ればその効果が半減してしまうなど、適期の施用がとても大切なので、穂肥のタイミングを計るためこの出穂期を知ることが美味しいお米作りの一つの鍵となります。
この時期の米農家さん達の会話にはほぼ必ず出穂期の話題が出てきたりします。
さて、田植えの時に書いた記事で、田植えの時だけ肥料をやってその後は穂肥をやらなくてもよい「元肥一発(もとごえ)」という施肥方法について書きました。
今回は元肥一発ではない田んぼでの生育調査です。(が、元肥一発の田んぼでも生育が悪いと穂肥を施用する場合もあります。)
総勢10名ほどで一斉に田んぼに入り、20箇所の草丈・茎数・葉色を調査します。
一番高い葉を選びます。真っすぐ膝上まで伸びた葉は63cmありました。
この株の茎数は32本。しっかりした茎は手で掻き分けたくらいではへこたれません。
葉緑素計を使用し分げつした2番目の葉(第2葉)の葉色を計測します。葉色はイネの生育度合、栄養状態などの目安になります。
少し分かりづらいですが、茎の中の白っぽい部分が幼穂(ようすい)=穂の赤ちゃんです!
測ってみると6mm。これが私たちの主食となるお米になると思うと、感慨深いです。
自分で米作りをしていない限り、なかなか田んぼの中に入る機会はないので、貴重な体験をさせていただきました。
インターネットや本で稲や米作りのことを調べるよりも、実際に田んぼに入ってみる方が色々なことが目で見え、肌で感じられます。
「昔は稲の葉が山にある竹の笹の色と同じになったら穂肥をやっとった。」
なんてことも田んぼでの経験則に基づく知恵なんですね。
幼穂は1日で1mm伸び、約1cmになると出穂18日前で穂肥のタイミングになります。
この田んぼでの出穂期は7月28日頃でしょうか。
これから穂はどんどん大きくなり出穂、登熟期に入っていきます。
我が子の成長を眺める心持ちで、これからもブログでお知らせしていきたいと思います。
(田崎 農業振興課2年目)
更新日:2019年08月06日