8月27日 収穫前夜

 

新しい元号となってもうすぐ4カ月が経ちますが、「令和」の典拠となった万葉集には「稲」をモチーフに詠まれた歌がたくさんあるそうです。

中でも、この実りの時期の稲穂の姿に例えてさまざまな気持ちを歌った歌が多いようです。

1,300年前のご先祖様達も同じ景色を眺めていたんですね。

 

稲刈前圃場

秋空の下、たわわに実った稲穂たち。

いよいよ収穫は目の前です。

 

 

延利農産グループの稲刈りは9月3日から始まります。

「コンバイン」という専用の機械で稲刈作業を行いますが、田植機と同じように、グループで共同利用されているため、スケジュールを組んでメンバーの田んぼを順番に刈り取っていきます。

 

コンバイン

自脱型コンバイン。一度に4条(列)づつ刈り取ることができます。刈取りと同時に脱穀(穂から籾を取り外す)し、藁は排出されます。

 

コンバイン2

上下2列に配置された三角形ののこぎり状の刃が左右に動くことで稲を刈り取っていきます。

 

 

このコンバインでの稲刈作業は基本的に天気の良い日、また稲が乾いた状態で行います。稲が濡れているとコンバインの故障の原因になったり、ぬかるんだ地面では沈み込んで走行しにくくなります。

稲刈りは空模様に非常に左右される作業なのです。

 

以前、積算温度が1000℃になった時が収穫の目安と書きましたが、「刈取適期(かりとりてっき)」という言葉があるように、お米の食味・品質などを考えたとき、当然、最適な稲刈りの時期があります。

なので、一番良いタイミングで全部刈り取ってしまいたいところですが、籾乾燥機の容量やコンバインなどの能力、何より稲刈りには労力がかかるのでそう簡単にはいきません。

そうこうしている間にもこの時期は台風もやってきます。

 

こうした非常にシビアな状況の中、米農家の皆さんは稲の状態と天気予報をにらみながらスケジュールを立てる訳です。

稲作は本当に大変な作業です。

 

 

コンバイン準備

作業場では来週からの稲刈りに備え、コンバインや収穫した籾を玄米にするための乾燥・調整機械の準備が行われています。

 

朝露

稲刈りは朝露が乾いてから、午前9時半頃から開始します。

 

 

延利では稲刈りの約10日前から水を落とし地面を乾かします。

既にほとんどの田んぼが落水し、稲刈りの時を待っています。

 

籾を沢山つけて頭を垂れる稲穂を見ると、日々謙虚に生きようと思う前に、早く収穫して新米を食べたい!と感じる私でした。

 

 

(田崎 農業振興課2年目)

更新日:2019年08月28日