9月25日 稲作千秋楽
先週、吉岡が「孫生え(ひこばえ)」について記事を書きました。
延利では丹後産コシヒカリの刈取りが終わって2週間が経ち、ほとんどの田んぼが黄金色から緑色に変化しています。
実はこれ、稲に限ったことではありません。
木の切り株などから生えてくる新芽も「ひこばえ」なんです。
ジブリ映画もののけ姫のエンディングの枯れた森が再生する場面、といったらイメージしやすいでしょうか。
そう、枯れ木から一斉にひこばえが芽吹き森が復活していく、あの場面です。
あの場面が好きなんですよね。
失礼しました。
閑話休題して、今回は9月10日の取材記事です。
春の耕起作業にはじまり田植えから秋の稲刈りまで、その間の溝切り・中干しや日々の水と雑草の管理も含め、米作りは全ての作業がやり直しのきかない一発勝負。
今日は日々真剣勝負の稲作の最終工程となる乾燥・調整作業を行います。
コンバインで刈取り・脱穀した生籾は、品質と貯蔵性を高めるために乾燥した後、「籾摺り(もみすり)」によって籾殻(もみがら)を取り除き玄米になります。
この玄米になる過程で、籾に混じったゴミや小石、砕けた米や品質の悪い米などを取り除き、最終的に品質の良い米だけを選別して米袋に詰めます。
この籾摺りから袋詰めまでの一連の作業を調整作業といいます。
前日に刈り取った籾を一晩かけて乾燥・冷却。約10時間の乾燥により籾の水分率は約25%から約14.5%まで下がります。
乾燥した籾は籾タンクへ移して一旦貯蔵し、3台ある乾燥機ごとに順番に籾摺り機へ。
籾摺りされた玄米は、選別機、石抜機、色彩選別機、計量選別機とたくさんの機械に掛けられます。正面の機械が計量選別機。30kg袋の米袋が一杯になると自動的に止まります。
それぞれの機械に掛けられる過程で品質の悪い米が選別され排出されます。
割れた米や登熟(成育)不足の米などの途中で排出されたお米。おかきなどお菓子の原料として出荷され、無駄にはしません!
米袋が一杯になったら口をしっかり結び、パレットに綺麗に積んでいきます。籾摺りされた玄米はどんどん排出され、機械は待ってくれません。これがかなりの重労働です。
フォークリフトで慎重に作業します。米袋が高く積まれ米倉庫然としてきました。もちろん、全部新米です。
調整作業が完了した玄米です!昨日まで田んぼに生えていた稲が無事透き通ってツヤのある玄米になりました。
今回は49.7アールのほ場で収穫した米の調整作業を取材させていただきました。
調整作業は午後8時から始まり2時間ほどで終了。約90袋の玄米となりました。
乾燥・調整作業は全て機械が自動的に行うとはいえ、相手は自然のお米。刈取り時の水分率や収量など籾の状態はその時々で異なります。
「乾燥に失敗して米が全部駄目になったこともある」
失敗するとこれでまでの苦労が水の泡です。
最後の最後まで、いや最後だからこそ、これまで以上に神経を使う作業がこの乾燥・調整作業でした。
静かな夜の集落の中で煌々と輝く作業場。
厳しい目で籾摺りの様子を確認する農家さんの顔には大きな喜びが感じられました。
(田崎 農業振興課2年目)
更新日:2019年09月30日