3月29日 新しい稲作へ
久しぶりの投稿です。
前回の新米試食会で「がりゃあうみゃあ!」と叫んだのがつい先日のことのようですが、あれからもう半年も経つのかと思うと、月日の流れの速さにゾッとします。
圃場を覗いてみると、冬期湛水をしていた田んぼは全て水が抜かれ、田植えに向けて田んぼを乾かす段階に入っていました。
4月中頃になると再び水を張り、苗のベッドメイキング、代かきが行われます。
農家さんはどうでしょうか。
延利農産グループではメンバー各自が使用する肥料の割り振りを行っておられました。今年の米作りに向けて着々と準備が進められています。
4月に入ると耕起作業、代かきをして5月の連休前から田植えに突入です。
こうして1年のサイクルが廻っていきます。
文明が発達し人々の生活様式が変わっても、米作りのこの基本的なサイクルは昔から変わりません。
稲作の文脈でみると農家さんの生活もまた然り、ではないでしょうか。
1年を通じて稲作の現場を密着取材させていただく中で、本当に大変な作業だと痛感しました。
全体的な栽培スケジュール、肥培管理や病外虫防除は体系づけられてはいますが、稲の生育具合を常に判断しながら調整していかないといけません。
毎年1度きりの真剣勝負です。それに加えて草刈りに水管理と多大な労力が必要です。
しかし、「腰がいてゃあ」とか「えりゃあ」といった言葉の裏には米づくりに対する確かな情熱が見え隠れしていました。
草刈作業の休憩中、缶コーヒー片手に談笑する皆さんの笑顔。話題は苗の生育具合。
田んぼの脇に軽トラを停めて開かれる井戸端会議の議題は「今年の出穂期」について。
稲作歴50年のベテランの方でも、常に新しい情報を得ようとする姿勢と情熱には本当に敬服しました。
新潟県で開発が始まり福井県で誕生したコシヒカリは、今から約60年前に丹後地方に導入されました。
そして約60年の歳月をかけ、京丹後の風土に適した栽培技術が確立されてきました。
美味しいお米の安定生産を目指し、米農家さん達が幾多の失敗や試行錯誤を繰り返した努力の結晶が現在の京丹後産コシヒカリであり、その挑戦は今も続いています。
ブログを始めたときに「京丹後のコシヒカリがなぜ世界一美味しいか?」と問いかけましたが、京丹後の水や土などの環境とともに、作り手の米づくりに対する努力と情熱こそが、その答えだと思います。
現在、京丹後市には約2,500人の米農家さんがおられます。
つまり、2,500の現場で日々情熱的な米作りが行われているのです。
あらためて京丹後のお米を、そして稲作を誇りに思います。
稲作ブログの投稿は今回で最後になります。
大変ありがたいことに多くの方々から様々な反響をいただきました。
溝切機やコンバインすら知らなかった職員が素人目線で米作りの現場をお伝えする中で、同じく稲作を知らない方に少しでも興味を持っていただけたのではないかと期待しています。
「きょうたんご稲作ブログ」は終了しますが、次は作り手の想いやこだわりなど、生産者側にスポットライトを当てたブログをスタートする予定です。
最後になりますが、1年を通じて取材させていただき、素人の的外れな質問にも快くご対応いただきました延利農産グループの皆さんに感謝したいと思います。
どうもありがとうございました。
(田崎 京丹後市農業振興課2年目)
きょうたんご稲作ブログの企画がスタートした時に、農業支援に関わる職員として京丹後の米作りについてゼロから知りたいとブログ一員として参加してから、もう1年が経とうとしています。
私は他県出身で、かつ親が農家ではないのですが、本企画でお米ができる過程や農家の手間や苦労を間近で見ることができ、あらためて京丹後のお米の美味しさを実感することができました。
貴重な経験をさせて頂いた延利農産グループの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。これからも京丹後のお米の美味しさをたくさんの人に伝えられるよう、尽力したいと思います。
ありがとうございました。
(吉岡 京丹後市農業振興課4年目)
農業のお仕事に携わるようになり、早1年が経過しようとしています。
丹後のごはん大好き!…でも、初めはトラクターと田植機とコンバインの違いも分からなかった私が、ブログの取材を通して、基本的なことから丁寧に教えていただき、実際に作業を体験するなかで、米作りの大変さ、そして農家さんの米作りにかける情熱がうかがえました。
この経験があったからこそ、農家の皆様と農産物に感謝して、今までよりも一層おいしく大切にいただくきっかけとなったように思います。
ありがとうございました。
(松本 京丹後市農業振興課1年目)
農業未経験の1年目職員ということで、丹後普及センターから稲作ブログメンバーに加えていただきました。
1年間活動をする中で丹後の米農家さんのより良いお米を作りたいという熱い思い、探究心や向上心の高さに驚きました。
農家さんから、今の状況をどうすればいいか一緒に考えてほしい、新しい技術について教えてほしい…とまだまだ未熟な私にも、何か良い方法はないかとたくさん質問をしていただきました。こうした意欲ある素晴らしい農家さんたちに育てられたお米はさすが…!
とてもとてもおいしいお米でした。これからも農家の皆様のよりよいお米作りに少しでもお力になれるよう、がんばりたいと思います!
(斉藤 京都府丹後農業改良普及センター1年目)
更新日:2020年03月30日