4月27日 代掻きで苗のベッドづくり

 

今日は田植え前の最終作業、代掻き(しろかき)を行います。

 

代掻きとは、田起こし後に水を張った田んぼの土を平らにする均平作業のことです。

これは稲作ならではの作業で、土を平らにすることで田植えがしやすくなるほか、田んぼ内の水深を一定にすることで苗の生育環境を均一化したり、水管理を行いやすくする目的で行います。

そのほかにも、雑草の種子を土の中に埋め込むことによる雑草予防や、田起こしの際に撒いた肥料を馴染ませるなど、様々な効果があるそうです。なるほど。

この代掻きをしっかりやっておかないと、後々の米作りが失敗してしまう恐れのある非常に重要な作業なんですね。


さて、実際の代掻き作業ですが、トラクターの後ろに取り付けた「ロータリー」や「ハロー」と呼ばれる爪が回転する機械で土を細かく砕きながらドロドロにしていきます。


作業の邪魔になっていないか心配になりながらも、農産グループの方にズケズケと矢継ぎ早の質問を続けていると・・・

 

「トラクターに乗ってみるか」

 

(やっぱり邪魔になってしまった?!)

いやいやこれは、教わるより自分で感じろ、という温かいお気持ちと捉え、お言葉に甘えて早速運転させていただくことにしました。


人生初めての代掻き。これが見た目以上に難しい!

アスファルトと違って土の上はデコボコしているので、トラクターはハンドルを取られて真っすぐ進んでいきません。

進行速度、ハローの爪の深さ、回転速度の調整を手元のレバーで行うのですが、水を張った田んぼは底の様子が見えづらいので、ハンドルとタイヤから伝わる感覚で各操作を微調整していきます。

特に爪は10センチ程で深すぎず浅すぎず、そして掻きすぎず。感覚的には土が「ドロドロ」と「トロトロ」の中間くらいの柔らかさになるように。ある程度は機械が自動で調節してくれますが、そこから先は経験と技術の世界です。

トラクターは一筆書きの要領で田んぼの長辺方向にジグザグに進み、最後は周囲をグルっと一周します。ポイントは目の前を見るのではなく遠くの目印に向かって真っすぐ進むこと。

代掻きは2回行います。今回は1回目の荒代掻きです。本代掻きではタイヤの跡を残さないように綺麗に仕上げます。

この一連の作業を田植えの2~3日前に行います。

 

代掻きをすると地中の虫が水面に出てくるのでしょうか、トラクターの後ろにはツバメたちが飛び交います。

そんな様子を見ながらハンドルを握って小一時間、ようやく多少慣れたかな?という頃に2反歩(約2,000平方メートル)の田んぼの代掻きは終わりました。

 

代掻きは、何度も同じ場所を掻きすぎると、柔らかくなりすぎて苗が植えにくくなり、田植えの際に機械も沈んでしまいます。

失礼ながら、これまで田んぼで見かけるトラクターは、のどかでのんびり走っているように思っていましたが、やり直しのきかない一度切りの作業。

まさに真剣勝負でした。


終わった後、「初めての代掻きにしては上出来」とのお言葉をいただきましたが、うねうねと蛇行する代掻き跡を見て、

「だけどそれでは田植えはさせられんわ」

仰る通りです。


苗のベッドの準備は完了しました。次回はいよいよ田植えです。

 

 

 

 

田崎(農業振興課2年目)

 

 

代掻きハロー

トラクターの後ろに取り付けた代掻き用のハロー。U字の爪が回転して土の塊を破砕していきます。ハローはトラクターの車幅を超える2メートル幅のため旋回が難しい・・・。

 

 

トラクター前面

遠くに目標を定め、ゆっくり歩くくらいの速度で真っ直ぐ進んでいきます。右側が代掻き済み。

 

ハロー

今回は荒代掻きですが、2回目の本代掻きにどこを走ったかわかるように、代掻きの隙間を少し開けて水面に土の筋を残すようにします。

 

 

代掻き前代掻き前。土の塊や去年の稲刈り時に残った藁が見えます。

 

代掻き後

代掻き後。土の塊が砕けてドロドロになっています。本代掻きで更に綺麗になります。

 

 

代掻き後

分かりづらいですが、荒代掻き完了です!

更新日:2019年05月10日