久美浜町品田の気張るファーマー(きょうたんご米気張るファーマー通信 Vol.13)
Vol.13 特定農業法人誠農海部株式会社(久美浜町品田)
気張る農業法人 誠農海部株式会社の設立経緯
久美浜町のほぼ中央に位置する海部(かいべ)地区の品田(ほんで)集落に、誠農海部株式会社(代表取締役社長 關昌弘(せきまさひろ)さん)がある。
昭和63年の海部地区の再圃場整備(約250ha)及びパイプライン設備の完了に向けて、昭和62年に同集落の農地を守ることを目的に、品田営農組合が結成され、農作業受託を実施してきた。
しかし、近年、農家の高齢化や後継者不足の問題などで、従来の体制では対応できなくなり、平成19年に営農組合を発展させる形で、集落内の全農家からの出資を受け、若手担い手が中心となり、特定農業法人誠農海部株式会社が設立された。
農作業受託を受け、大型コンバインで稲刈する誠農海部株式会社のメンバー
環境保全型農業と高収益作物を組み合せ、多品目生産を実現する
誠農海部株式会社は、水稲、黒大豆、枝豆、九条ネギなどの京野菜を約25haで栽培。
水稲は、竹を細かく砕いたパウダー状のものを肥料にして、減農薬・無化学肥料で栽培した特別栽培米を出荷し、環境保全型農業を実践している。
また、野菜の安定した収穫を可能とするため、日本海側の天候不順な冬場でも、給排水をコントロールできる地下水制御システム「FOEAS(フォアス)」を導入し、枝豆の後作には大根やキャベツを栽培している。ハウスでは、九条ネギを周年栽培するなど、年間生産販売体系を進めている。
さらに、JAに販売委託することで、農産物の生産に集中して取り組むことができ、年間計画を立てて水田を活用した多品目生産を実現することで、経営安定を図っている。
地下水制御システム「FOEAS(フォアス)」の導入
「せえのー」の掛け声のもと、農業を通じて地域活性化に取り組む
誠農海部株式会社は、品田集落の水田面積の約7割(約25ha)を集積し、海部地区内で集落を超えた土地利用を進め、水田50haで水稲、豆類、野菜を作付するなど、水稲、大豆、小豆のブロックローテーションを確立し、規模拡大を実現してきた。
また、海部地区では、今年7月、旧海部小学校の給食調理室とランチルームを全面的に改修して誕生した、府立丹後緑風高校の食品製造実習施設「海部Kitchen」で、京丹後で生産されたフルーツや野菜などを活用して食品を製造しようとする新たな展開も見せている。
今後、過疎・高齢化が進む海部地区の農地を守るため、同地区の中で様々な連携を模索しながら、「誠農海部」の名称の由来である「せえのー」の掛け声のもと、農業を通じて地域活性化に取り組んでいこうと、關社長は海部地区の将来を見据え、既に動き出している。
事務所から眺めた一筆30a区画の農地(海部地区)
(気張るファーマー通信編集部 松川)
取材日:令和2年11月17日
- この記事に関するお問い合わせ先
-
農林水産部 農業振興課
〒629-2501
京丹後市大宮町口大野226番地(大宮庁舎)
電話番号:0772-69-0410 ファックス:0772-64-5660
お問い合わせフォーム
更新日:2020年11月30日